先日行ったみなもと太郎のトークショーで ちばてつやの少女マンガがマンガ表現において ターニングポイントになったという話があった。 ちばてつやが死んだら墓に『あしたのジョー』の作者と書かれたのでは浮かばれないとまでみなもと先生は仰った。ちばの功績は登場人物のリアルな感情表現だ。それまでの少女マンガにおける主人公はお人形のような定型であった。少しでもそこから逸脱しようものなら編集からクレームが来たそうだ。 たまたま締め切りに追われムシャクシャしたちばは、クレームを入れられる余裕もないことから、主人公の少女にペロッと舌を出させた。それが読者の共感を生み、大反響となった。このことはちばてつやの自伝に書かれていたことだが、ここから少女マンガの感情表現は深化したわけだ。やがて70年代に24年組と呼ばれる女性作家により、とことん極められ、やがて80年代に少年マンガ、青年マンガにフィードバックすることにな
![「リナ」上・下 ちばてつや(原案=八木基克) 草の根出版会](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/126e9c63960837b5815901e11e1f6c1303c17f2b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog.seesaa.jp%2Fimg%2Fogp_logo.png)