他の物に似せて作った物のことを指す「モドキ」という言葉がある。「がんもどき」は、豆腐を使ってガンの肉に味を似せたのが名前の由来だとの説が有力だ▼生き物の中にもアブなのにハチそっくりのハチモドキハナアブ、アゲハチョウそっくりのガの一種、アゲハモドキなどがいる。日本固有種のドジョウの仲間、アユモドキもその一つだ。立派なドジョウヒゲがあるものの、体の形は平らでアユにそっくり▼昔は各地にいたが、すみかの河川や水田の環境の改変などで極端に数が減った。国際自然保護連合(IUCN)は、アユモドキを「近い将来の絶滅の恐れが極めて高い種」に指定する方向。絶滅危険度のランクは、ニホンウナギよりも一段上だ▼IUCNによると、確認されている生息地は京都府亀岡市と岡山県内の2カ所の三つだけ。しかも京都府の生息地では球技スタジアムの建設が計画され、これがアユモドキを絶滅にさらに近づけると指摘された▼京都府が先にまとめ