片野ゆかの『ゼロ!こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?』(集英社)が本日発売である。 前回ベストセラーになった『犬部!』(ポプラ文庫)に次ぐ犬モノ第二弾、今度の舞台は熊本の動物愛護センターだ。 毎年、何千頭という犬を殺処分していたのを、およそ10年でほぼゼロにしてしまったという奇跡の物語…というと、なんだか感動秘話みたいなイメージがするし、可哀想な動物が助けられてよかったね、みたいな感想になりがちだと思うのだが、実は、この本を読んでいると(というか私は妻に取材の話を直接聞いているわけだが)ちょっとちがう。 何の罪もないかわいい動物が無意味に殺されるということは、何の罪もない動物を殺す人がいるということだ。誰が殺しているのかというと、動物愛護センターの人たちなのだ。彼らは犬やネコを毎週、直接手を下して殺すだけでなく、もうすぐ殺すことになる動物を心ない飼い主から引き取ったり、自分が殺す