大阪の書店でトークイベントを行ったとき、すごく変わった人に出会った。 書店員なのだが作家でもあるという。 しかも、プロレスと格闘技をテーマにしたミステリを書いているという。 ええーっ!という感じだ。 私は、かつてプロレスと格闘技に熱中し、ミステリファンでもある。 プロレスをテーマにしたミステリはないことはないが、実に少ない。 それを専門に何冊も書いている作家なんて聞いたこともなかった。 「ここで売ってますか?」と訊くと、ご本人が案内してくれた。 著者に案内されてその人の著書を本屋で買うというのはすごく変な感じだ。 しかもその人は文芸担当。つまり自分で自分の本を並べて売っているのだ。書店で。 自称作家が道端で自著を売っているのとはわけがちがう。 ご本人も「自分で自分の本を棚に並べたり、注文を出したりするのは恥ずかしい」と言っていたので 笑ってしまった。 たしかに、そんな人は日本広しといえども