□英ケンブリッジ大のバラック・クシュナー准教授 日本はラーメンのスープに浮いたアイランド(島)だ-。日本各地のラーメン店を巡り、ラーメンと日本史の関係を調べ上げた英ケンブリッジ大のバラック・クシュナー准教授(44)は、著書「スラープ」で日本のラーメン文化をこう表現した。 生まれ故郷の米国を離れ英語教師助手として暮らした岩手県山田町でラーメンと出合って約20年。「日本食になじめないでいたが、未体験のおいしさに驚いた」と流暢(りゅうちょう)な日本語で振り返る。 「スラープ」とは麺類をすすり上げて食べる際の音で、欧米では不作法とされるが、「日本では麺のおいしさの証し」。日本人のラーメン好きを紹介するにとどまらず、古代から続く中国、朝鮮半島との交流、戦後日本の食糧難から今に至る歴史もラーメンを軸にひもといた。 構想と執筆に8年を掛けて出版にこぎ着けた昨年、ちょうどロンドンでブームが到来。本格的なラ