栃木県立博物館(宇都宮市睦町)は、那須烏山市で2019年に見つかった動物の歯の化石が、約1100万年前のセイウチの仲間の犬歯と分かったと発表した。この時代のセイウチ類の化石は北海道や群馬県などで見つかっており、国内6例目で県内では初という。 同博物館によると、那須烏山市小河原の荒川河川敷で地元の化石愛好家が発見した。大きさは5.1センチ。同博物館と国立科学博物館の共同研究グループの調査で、セイウチ類の左下の犬歯と判明した。 約1100万年前は大型のセイウチ類が多様化して分布を広げた時期で、当時のセイウチ類は上あごの大きな牙はなく、外見はトドに近かったと考えられている。現在のトドの歯の大きさとの比較で、体長は3メートルを超えると推定された。