尖閣諸島を巡って、日中関係の緊張が増している。安倍首相に強硬姿勢を望む声は多く、それを踏まえて日本の右傾化を危惧する声もあがっているようだ。 右翼と聞いてまっさきに頭に浮かぶのは、派手な街宣車を乗り回し、戦闘服に身を包む右翼団体、いわゆる街宣右翼だろう。菊のご紋といかめしいスローガン、スピーカーから軍歌を大音量で流してまわる真っ黒い大型の改造車。しばしば街頭で見かける彼らの実態はいかなるものなのか。それを知ることができるのが今年の2月11日に発売された『右翼という職業』である。 本書の著者である武寛は、各右翼結社の連合団体で事務局長を務めたという幹部。本書はそんな氏が、ありのままの右翼団体の姿やそこでの体験を語るというノンフィクション。 生真面目な告発本でもなければ武勇伝の寄せ集めでもなく、ユーモアを交えながら彼らの「仕事」の数々から失敗談、ひいては女性関係まで語られている。 そもそも、右