【野津彩子】東北にプロレス文化を、と旗揚げした「みちのくプロレス」(みちプロ)が20周年を迎えた。地域密着にこだわる興行は2千回、集めた観客は延べ125万人に上る。この間、東日本大震災があった。経営も苦しい。それでも、個性豊かなレスラーたちが地域を盛り上げようと体を張っている。 「のはしー!」 子どもらの声援が飛ぶ。リング上には、身長159センチの自称「日本最小レスラー」の野橋太郎(31)と顔を緑に塗ったこわもて米国人レスラー。「バンッ」。2人の体がぶつかり合い、汗が観客席に飛び散る。 16日夜、盛岡市の西隣、岩手県滝沢村にある幼稚園の体育館。ブルーシートを敷いただけの観客席は約150人で「満席」だ。今月4日にあった20周年記念大会に出た選手らがコミカルな動きを見せると、どっと笑いが起きた。 チケットは500円。子どもやお年寄りは無料だ。復興応援ソングの熱唱やプロ野球・楽天の日本一を祝う菓