戦前、言論や集会、結社の自由を大幅に制限した治安維持法が公布されてから二十二日で八十九年。同法違反に問われ、二回逮捕、投獄された男性は、百五歳の今も大阪府内で健在だ。生存する逮捕経験者では最高齢とされる。昨年末に成立した特定秘密保護法は「治安維持法と同様、国民の口をふさぐ法律だ」とし、廃止のために国民が声を上げ続ける必要があると訴える。 (小松田健一) 男性は貝塚市在住の会社顧問、西川治郎さん。一九〇九年、三重県鵜倉村(現南伊勢町)に生まれ、十三歳で大阪市の商店へ働きに出た。店主がクリスチャンで、西川さんも十五歳で洗礼を受けた。
