高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)の紹介だ。仕事や雑事に追われて、なかなか書けないでいたが、その間に重版もかかり、順調に売れているようでご同慶の至りである。とにかくおもしろいことはまちがいない。私はこれまで高野さんの代表作は『西南シルクロードは密林に消える』(講談社)だと思ってきたが、今後はこの本にする。デビューして20年以上して代表作を書くとはタダモノではない。本人も書いているが、ソマリランドに関する日本語の本はほとんどないらしい。そのなかにあって重版がかかるほど売ったのは快挙だろう。ニューヨークやロンドンではなく、ほとんどの人が実態もよく知らない国の話なのだ。 ソマリランドと聞いてどういうイメージかというと、ほとんど「海賊」とか「内戦」ぐらいしか思い浮かばない。いや、この連想はソマリアで、ソマリランドではないので、何も知らないといってもいい。ソマリランドはソマリア