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ブックマーク / kuramae-jinichi.hatenablog.com (11)

  • 『謎の独立国家ソマリランド』 - 旅行人編集長のーと

    高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』(の雑誌社)の紹介だ。仕事や雑事に追われて、なかなか書けないでいたが、その間に重版もかかり、順調に売れているようでご同慶の至りである。とにかくおもしろいことはまちがいない。私はこれまで高野さんの代表作は『西南シルクロードは密林に消える』(講談社)だと思ってきたが、今後はこのにする。デビューして20年以上して代表作を書くとはタダモノではない。人も書いているが、ソマリランドに関する日語のはほとんどないらしい。そのなかにあって重版がかかるほど売ったのは快挙だろう。ニューヨークやロンドンではなく、ほとんどの人が実態もよく知らない国の話なのだ。 ソマリランドと聞いてどういうイメージかというと、ほとんど「海賊」とか「内戦」ぐらいしか思い浮かばない。いや、この連想はソマリアで、ソマリランドではないので、何も知らないといってもいい。ソマリランドはソマリア

    『謎の独立国家ソマリランド』 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/03/29
    元「旅行人」発行人の蔵前仁一氏による書評
  • 『遺体 明日への十日間』 - 旅行人編集長のーと

    石井光太さんのルポ『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社)が映画化された。昨日、その試写会に招かれたので拝見した。 正直にいうと、実はちょっと気が重かった。私はネットで予告編をすでに見ており、それを見ただけで目頭が熱くなってきたので、映画を観ながらぼろぼろ泣くはめになるのではないかと思っていたのだ。最近はでも映画でも、「泣ける」のが一つの売りになっているが、私はそういう「泣かせる」話が大嫌いなのだ。 もうひとつ懸念したのは脚色の仕方である。石井さんの『遺体』をお読みになった方はご存知の通り、こののテーマは極めて重い。全編が震災による被災者の遺体と、それに向き合う人々の姿だ。そこには映画的な恋愛物語もなければ、活劇もなく、しかも結末が明るいわけでもない。場所も遺体安置所からほとんど動かない。それをどのように映画的な物語にするのだろうか。 上映時間は1時間45分。映画の場面は遺体安置所からほ

    『遺体 明日への十日間』 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/01/25
    監督が君塚良一と聞いて、最近の(主にエンタメ方面の)仕事ぶりを思い出して(別の意味で)たじろいだが、どうやらその辺はこちらの杞憂っぽそう。にしても重そうだ。
  • 本棚の『まんがNo1』を前にしてたちすくむ - 旅行人編集長のーと

    今日も棚の整理をしているが、そろそろこれもなんとかしたほうがいいのではないかと、棚にずらりと並ぶ古い漫画雑誌『ガロ』を眺めている。古いものでは1973年のものから、新しいものでは1981年まで、とびとびにとってある。たいした価値はないだろうが、このまま捨てるのは漫画ファンとしては忍びない。まんだらけに相談しようかな。 1984年、長い旅行に出るときにも、持っていた漫画を大量にまんだらけで売ったことがある。そのときはまだ小さな店だったので、古川さんが自ら1冊1冊チェックして値を付けていた。なかに『電人アロー』(一峰大二)が混じっていて(近所の古屋で30円で買った)、古川さんは「おおおーっ」と声を上げて、「これは1500円だ!」と勝手に高値を付けてくれた。そのときも500冊以上の漫画を売ったと思うが、総額4万円以上になって当に助かった。 今持っているのは、その残りのような漫画雑誌だが

    本棚の『まんがNo1』を前にしてたちすくむ - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2012/08/10
    まんがNo.1って、こういう表紙だったんだ
  • [雑談]うっとおしい見せ物 | 2011-01-07 - 旅行人編集長のーと

    あけましておめでとうございます。 年も旅行人および欄をよろしくお願いします。 足柄SAから撮影した富士山です さて、今年の正月は去年と違って特にあわてふためく事件もなく、平和でのどかな正月を過ごすことができた。正月用というわけではないが、年末にはひさしぶりにサモサを作った。 ←ジャガイモ、グリーンピースに香辛料をまぶしてちょっと炒める 薄力粉を練って薄くのばし、餃子と同じ要領で包む→ ←できあがり。今回はちゃんとべる前に撮影しました。最初に包んだ左手前のやつだけかなり大きくなった。味はちょっと塩っぱすぎると不評だった。レシピに塩少々と書いてあったのだが、少々よりも多かったようだ。 正月には例年、小川の実家の静岡へ。静岡では何もやることはないので、っては寝るという危険な行為を繰り返し、絵に描いたような正月太りになってしまった。近所にガンダムの実物大模型が立っているというので見物にいっ

    [雑談]うっとおしい見せ物 | 2011-01-07 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2011/01/07
    ガンダムに興味のない人が、物見遊山で行くとこうなるという一例
  • コーカサスの旅 グルジア2 - 旅行人編集長のーと

    前回の書き込みでコーカサスからは最後になると書いたが、ホテルでネットがつながったので最後にもう一度書くことにした。 グルジア最後の目的地であるスワネティ地方のウシュグリ村は、塔の家が密集していることで知られ、世界遺産にも登録されている。塔の家とは文字通り家が塔の形をしていて、石積みで高さ15メートルほどの高い塔を建てるのだ。なぜこんな高い塔を建てるのかといえば、外敵に対する防御のためだが、普通はこんな高い塔を一軒一軒別々に建てたりせずに、村や町全体を高い壁で囲む。中国や欧州の城郭都市のように。あるいは客家の土楼のように親族全体で防御体制を取る。 それが、この地では一世帯で一つの塔を建築するのは、いわゆる「血の掟」という因習が存在するからだ。自分または家族の一員に危害が加えられたら、必ず相手またはその家族に復讐を果たさなければならない。だから、別の家族を敵に回すおそれがあるので、一つの家族単

    コーカサスの旅 グルジア2 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2010/10/04
    敵の家族への復讐を是とする「血の掟」、家族単位で履行される掟がこんな家を生み出した。アルバニアはまた血の掟が生きているらしい
  • 阿久根市長の乱 - 旅行人編集長のーと

    鹿児島県にある田舎町、阿久根市の市長さんが話題になっている。新聞記事でもテレビでも何度も取り上げられ、地方自治体の首長としては、橋知事や東国原知事の次ぐらいにメディアに頻繁に登場する。これは実に珍しいことだ。人口がわずか2万4000人しかいない阿久根市なんて、鹿児島の人以外はほとんど知らないだろう。私も通り過ぎたことが一度ある程度で、名前しか知らないような田舎町だ。その阿久根市が一躍全国的に有名になった。 ご存じの方も多いと思うので詳しい説明はしないが、阿久根市の竹原信一市長は型破りの人で、最初は選挙期間中に禁止されているブログを更新し続けたことから「ブログ市長」として注目を浴びた。ブログで、辞めさせたい議員の不人気投票をやったり、役人の給料を詳細に公表したりして物議を醸し、ついには、議会を開かずに市長の権限で役人や市長人の給料を削減して大問題になっている。マスコミからは、議会制民主主

    阿久根市長の乱 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2010/08/25
    蔵前さんほどの人でも、新聞だけの情報ではニュー速+民と同レベルになってしまうかぁという一例。知事の批判と市長の擁護がつながらないよ、よく読むと。
  • 『ニッポンの海外旅行』 - 旅行人編集長のーと

    先日、知り合いの編集者から「新書を読んでいたら、旅行人のことが何ページも書いてあって驚いた」というメールが来た。『ニッポンの海外旅行──若者と観光メディアの50年史』(山口誠/ちくま新書)というらしい。さっそく買い求めて読んでみた。 このの主旨を大雑把にいうと、最近の若者は海外旅行に出なくなったのは何故か、どうしたら彼らが旅に出るようになるのかというものだ。若者はケータイやインターネットにうつつを抜かしているからだといわれているが、当はそれが最大の原因なのではなく、海外旅行そのものが変節し、つまらないものになってしまったからではないかと著者は主張する。 著者がいう、つまらない海外旅行とは、こういう旅である。 ────「買い・い」行動を前に押し出してきた『歩かない』個人旅行が、長い独走の果てにたどりついたのは、旅先の日常生活が伝えてきた歴史文化から切り離され、お金を介した消費行動だ

    『ニッポンの海外旅行』 - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2010/07/28
    山口誠は、蔵前仁一にきちんと取材しておくべきでしたね。
  • 旅行人本誌の休刊について - 旅行人編集長のーと

    そろそろ次号がお手元に届き、休刊のお知らせをご覧になった方もいらっしゃることでしょう。掲示板にも書きましたが、誌は165号で休刊します。といっても、1年に2回しか出ない雑誌ですので、実際に休刊になるのはまだ1年半もあとのことです。 こんなに早くから休刊を告知する雑誌も珍しいのではないかと思いますが、うちの場合、広告を気にするわけでもないので、休刊の予定を早々と申し上げることにしました。内々に休刊が決まっているのに、新しく定期購読を受け続けるのは失礼ですし、休刊後の手続きがより面倒になるからでもあります。 休刊になる理由はすでに誌にも書きましたが、若いときほど無理がきかなくなって、仕事量を減らさないとやっていけないのが大きな理由です。老いは誰にでも訪れることなのでしょうがない。いずれはやめなくてはならないわけで、そのときがいよいよやってきたというわけです。 後継者はいないのかという質問を

    旅行人本誌の休刊について - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2010/05/31
    旅行人が休刊か…しかも資金的なものというより、蔵前さんの体力の問題か
  • 2010-01-13 - 旅行人編集長のーと [雑談]若者は欲しがりません

    先日、ある旅行雑誌から原稿を頼まれた。打ち合わせの雑談で、最近の若者は旅行しなくなってといういつもの話になった。その雑誌では20〜30代の若者に「なぜ海外旅行に興味がないのか」というアンケートをとったという。そうしたら、いちばん多かった理由が何だったと思います? と、その編集者は情けなさそうな顔をしていった。 「金がないから?」 「それだったら納得がいくんですけどね、めんどくさいというのが1位なんですよ。それって理由になってないでしょ」 確かにまあめんどくさいといわれると、それ以上言いようがない。金がないのは昔の若者だってなかったけど、それでも行きたい奴は行ったわけで、金がないのは最大の理由にはならない。めんどくさいというのは興味がないということだ。 こういう記事がある。衣住などの様々な市場で、欲しがらない若者達が増えているという。 「嫌消費」世代〜経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

    2010-01-13 - 旅行人編集長のーと [雑談]若者は欲しがりません
    kowyoshi
    kowyoshi 2010/01/13
    蔵前仁一の目から見た、嫌消費な若者たち
  • さらばガイドブック!って時代になっちゃったかな - 旅行人編集長のーと

    このところ毎日、次に出る予定の『熱帯雨林を歩く』(上島善之著・2010年4月発売予定)の地図をつくっている。世界中にある熱帯雨林の場所の地図なので、行ったところもない場所を模索しながら作っているわけだが、大活躍しているのがグーグル・マップだ。昔は、地図を作っていて、そこがどうなっているかまったく確認できなかったのに、今やグーグル・マップのおかげで、熱帯雨林の上空写真をばっちり見ることができ、地形の確認ができる。これはすごいことだ。 以前、ある町の印刷された地図を見ていて、○印がつく場所があった。位置を示す●でもなく、唐突に○が置かれていて、いったいこれは何なのだろうと不思議だった。それで、グーグル・マップの航空写真図でその町の○印の地点を見てみたら、なんとそれは巨大な石油タンクだった。 もっと実用的な意味では、空港の位置を確認できるのは非常に助かる。場所によってはあまり大きくズームアップで

    さらばガイドブック!って時代になっちゃったかな - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2009/12/10
    しかし、ケータイとかスマートフォン使えないような地域での旅ではガイドブック要ると思うのよね
  • 地図ができるまで - 旅行人編集長のーと

    ただいま誌次号(160号/6月1日発売予定)を制作中。次号の特集はキューバです。ニュースを見ていたら、オバマ大統領がキューバに対する経済制裁を緩和するといっていた。これから、キューバはどんどん開かれた国になっていくのだろう。 キューバはこれといった日語版のガイドブックも出ておらず、『地球の歩き方』の『カリブ海の島々』というタイトルの中で紹介されているだけだ。その意味では、今回の誌の特集は、富永さんの地図もたくさん入るし、キューバへ行きたいと思っている方にはいいガイドになると思う。ご期待下さい。 ところで、ガイドブックなどに掲載されている地図は、どうやってつくられているかご存じだろうか。知らなくたって、取材者が市販されている地図に、ホテルやレストランや見どころなどの場所をチェックして、それを出版社(あるいは制作会社)に渡し、それを見た目のいい地図に仕上げるのだろう、という想像はできる。

    地図ができるまで - 旅行人編集長のーと
    kowyoshi
    kowyoshi 2009/04/18
    まさに、足で稼いだ情報
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