蒸気機関車の代名詞「デゴイチ(D51)」の後継として、国鉄最強の蒸気機関車を目指して計画された「D52」。しかし時代は太平洋戦争へ突入、この機関車は結局、「戦時量産型」として本来とは異なる仕様で誕生しました。その不運な誕生から戦後復興期におけるひそかな復活劇を振り返ってみましょう。 知られざる蒸気機関車「D52」 貨物牽引用の蒸気機関車「デゴイチ」ことD51形といえば、蒸気機関車の代名詞として広く知られています。このD51形と並んで知名度が高いのが、戦後の復興期に特急「つばめ」や「はと」を牽引したC62形でしょう。C62形は2号機と18号機に「スワローエンゼル」というつばめのマークを付けていたことなどから親しまれ、いまなお多くのファンがいます。 しかし、このC62形の原型となったD52形という蒸気機関車は、多くの人にとってあまりなじみがないのではないでしょうか。 D52形は、52という数字