二十一世紀の社会を担う青少年の健全育成は、全ての国民の願いである。しかし、我が国の相次ぐ少年の凶悪事件等に見られるように、青少年の荒廃は深刻な事態に直面している。その要因として、頻発する児童・幼児虐待事件等に象徴される家庭の崩壊、また倫理・道徳教育を排し、人格形成の場としての役割を果たしてこなかった学校の問題が指摘されている。地域社会においては、露骨な性描写や残虐シーンを売り物にする雑誌、ビデオ、コミック誌等を始めとする性産業の氾濫、テレビの有害番組の問題等に加え、インターネット・携帯電話等の情報通信の発展とともに新しい有害環境の出現も指摘されている。青少年の荒廃は、大人が青少年を見守り支援し、時に戒めるという義務を果たさなかった故の結果と言わざるを得ない。これらの問題に対して、各都道府県の「青少年健全育成条例」が対処し、一定の効果は上げてきたが、その限界性が指摘されている。今、求められて