20.大吟醸酒「電氣菩薩」遂に、というかもう既に発売!! 10数年前、必ずイベントの時に顔を見せる、サッパリとした青年がいた。初めてサインを求められ、名前を伺うと“藤村卓也”と名乗った。思わず俺は「イイ名前だねえ」と感心した。 以来、その人物を忘れる事は出来なかったのは当然として、歳月は流れ、気が付けばイベントで顔を見る事はなくなっていた。ところが昨年の春頃、アップリンクの「映像夜間中学」に三十路を超えた、その一字違いの彼が久しぶりに俺の前に現れた。藤本卓也、おっと藤村卓也君はいつの間にか家庭の事情から造り酒屋の社長に成っていた。 そして新しく出す酒(大吟醸酒)の命名、と言っても千摺と書いてたろうと読ませるあっち(現在執筆中の根本敬史上最も下品な漫画本)とは関係なく、まぁ、とにかくこの俺が名前をつけたり、文字を書いたり、場合によっちゃ絵も、という酒をつくりたい、と言う事であった。 そんな訳