新型コロナの感染が急拡大しており、国民の間に不安感が広がっている。感染予防のために再び活動制限を強化すべきとの意見も増え始めた。しかし、足元の感染拡大を過度に心配する必要はないと筆者は考えている。むしろ、政府は現在の新型コロナ対策の方針を抜本的に見直すべきだ。 日本人では低い死亡率 足元の動きをどう判断するかの前に、これまでの新型コロナ流行がわが国にもたらした結果を整理しておこう。まず、他の国と比較して、死者が際立って少なかったことが特記される。わが国の新型コロナによる死者は累計1000人程度。これは、年間死者(約136万人)の0.07%にすぎない。年間死者数に対する新型コロナによる死者数で見て、比率が最も高かったベルギーでは8.8%と1割近くに達した。英国では7.3%、スペインでは6.8%と、米欧諸国では総じて高い。 また、毎年流行する季節性インフルエンザと比べても、新型コロナの死亡率は
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