2016年9月6日のブックマーク (1件)

  • 幸福に帰る - 傘をひらいて、空を

    重いでしょう、と彼女が言う。重いねと私はこたえる。ごめんねと彼女が言う。誰かに聞いてほしくて。ひとりじゃ受け止められなくて。 こういう会話は何度目だろう、と私は思う。何十回もしたと思う。私は、人の話を聞くのが好きだ。何を聞いてもおもしろがっている。おもしろおかしい話じゃなくても、今日みたいに重苦しい話でも「おもしろい」。要するに他人をコンテンツだと思っているのだろう。不幸な話であっても、自分まで苦しくなることはない。その場では喉の奥からなんか上がってくるような感じがするけど、引きずらない。共感能力というものがあんまりないのかもしれない。 けれども私はそのことを言わない。ちゃんと共感しているいい人みたいな顔をしている。善良で友情あふれるまともな人みたいな顔をしている。そのほうが得をする。友人だからといって自分の卑しいところまで見せる必要はない。そういう種類の嘘はほかにもいくつもついている。積

    幸福に帰る - 傘をひらいて、空を
    koyor
    koyor 2016/09/06
    "その幸福は、誰かがいてくれるとか何かを持っているとか、そういうのではなくって、生きていることがだいたいいいことだという、確信みたいなものなんだ。"はい。