石油時代の終焉 1970年代から80年代前半に「ミスターOPEC」と呼ばれたヤマニ元石油相は、「石器時代が終わったのは石がなくなったからではない」と常に述べていた。石器時代が終わったのは、新しい技術が導入されたからであり、石油の時代が終わるのも、石油が枯渇するからではなく、新技術で石油が代替され、消費者から見向きもされなくなるからである、という意味である。 サウジが恐れる「石油時代の終焉」とは、枯渇ではなく、技術開発による石油代替である。しかも、アッラーの神からの恩恵である石油資源を最後の一滴まで有効活用しようと考えている。 そのために必要なことは、原油価格を上げ過ぎないことと、常に石油安定供給を確保し、消費国の信頼を得ることであろう。サウジアラビアの石油政策が穏健で安定志向であるのは、こうした考え方によるものである。 確かに、昨年末、サウジはOPECと非OPEC主要産油国との協調減産を実
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