最近読んだ、川瀬和也「言説的実践とヘーゲル的相互承認」という論文が面白かった1。 この論文の中で、セラーズ左派とセラーズ右派の話題が出てきて、気になったところがあったので、参照文献からその元となる論文 James R. O’Shea"Introduction : Origins and Legacy of a Synoptic Vision"を探したら、見つかったので読んでみた。 このO’Sheaの論文を読んだ結果、冒頭の論文で読んだセラーズ右派とセラーズ左派の説明に感じた私の懸念は当たっていたようだ。 セラーズ右派と左派は言語使用の説明を議論の出発点にするという、語用論的な枠組みを共有している。 川瀬和也「言説的実践とヘーゲル的相互承認」p.70より 論文では、この後でセラーズ右派と左派で言語実践をどう説明するか?の違いを論じている。言語実践についての説明部分は、この引用の文が正しいかど