ブックマーク / deepbluedragon.hatenadiary.com (3)

  • セラーズ右派と左派への分岐をその起源に遡ってみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    最近読んだ、川瀬和也「言説的実践とヘーゲル的相互承認」という論文が面白かった1。 この論文の中で、セラーズ左派とセラーズ右派の話題が出てきて、気になったところがあったので、参照文献からその元となる論文 James R. O’Shea"Introduction : Origins and Legacy of a Synoptic Vision"を探したら、見つかったので読んでみた。 このO’Sheaの論文を読んだ結果、冒頭の論文で読んだセラーズ右派とセラーズ左派の説明に感じた私の懸念は当たっていたようだ。 セラーズ右派と左派は言語使用の説明を議論の出発点にするという、語用論的な枠組みを共有している。 川瀬和也「言説的実践とヘーゲル的相互承認」p.70より 論文では、この後でセラーズ右派と左派で言語実践をどう説明するか?の違いを論じている。言語実践についての説明部分は、この引用の文が正しいかど

    セラーズ右派と左派への分岐をその起源に遡ってみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
  • 中野剛充「テイラーのコミュニタリアニズム」の簡潔な書評と長い補足 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    「テイラーのコミュニタリアニズム」 テイラー思想の全体像を知る解説書としてなかなか悪くないが、い足りない感も残る 日では翻訳も紹介も貧しいテイラー思想をテーマにした日では稀有な著作。共同体主義者や多文化主義者として有名なチャールズ・テイラーの思想を、その根底となる社会哲学の視点から全体像を描いている。テイラーを不当な攻撃から擁護するだけでなく(主に結論で)批判的な検討もしているので論述のバランスはそれほど悪くないが、テイラーの偏ったリベラリズム理解を著者もそのまま受け継いでいたりと問題も見受けられる。 ハーバート講義で日では有名になったサンデルだが、その彼が昔ロールズ批判をする上での源泉となったのがチャールズ・テイラーの思想である。日のテイラー研究の第一人者とも言える著者が万を持して書いたのがこの著作。日では共同体主義者(コミュニタリアニズム)や多文化主義者としてしか語られない

    中野剛充「テイラーのコミュニタリアニズム」の簡潔な書評と長い補足 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
  • 正統派の進化心理学を知れる最近でた日本語の論文をお薦めする - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    私にとって進化心理学とは〜1990年代に勃興し、2000年代に広く流行り、2010年代になると批判が出てきて分野として落ち着く〜という経過をたどった学問分野で、今でも興味はなくはないか今さら論争するほどではない…と思っている。だが、これは欧米での事情であって、日ではそうではなかったことは早くから分かってはいた 最近になって、日で進化心理学についての論争をネットで目にすることがあって、正直な感想は「いまさら」だが、同時に相変わらず進化心理学の定義が曖昧なままに話が進むことにあきれる。とはいえ、これは日の論者が特にひどいのではなく、当の欧米でも流行り時には(学者も含めて)進化心理学の意味合いが曖昧に広がっていた事情もあるので、仕方がない部分もある 意味合いが曖昧に広がりがちな進化心理学という言葉 これから、源となるトゥービー&コスミデスの伝統を受け継いだ正統派の進化心理学を知れる日語の

    正統派の進化心理学を知れる最近でた日本語の論文をお薦めする - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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