規範倫理学の一分野に、現代社会契約論という領域がある。これは、最も広く定義するなら、ホッブズら近世の社会契約論者にインスピレーションを得た議論の集合ということになるが、功利主義や義務論、徳倫理と比べると明らかに知名度が低く、教科書でもさらっとしか触れられないことが多い。 そこで本エントリでは自分用のメモも兼ねて、現代社会契約論の文献を筆者の目につく範囲でリストアップしていくことにする。文献は随時追加していく予定である。これを追加しろとかこれが入っているのは変だというのがあればぜひコメントしてほしい。 以下注意点。 現代社会契約論の中にも様々な潮流があり、例えば契約論(contractarianism)、契約主義(contractualism)、黙約論(conventionalism)といった風な区分けがされている*1。非常にざっくり言うと、合理的で現実主義的っぽいのが契約論、理想主義的っぽ