メキシコ南部で、学生43人が地元警察に連れ去られ、殺害されたとみられる事件で、警察による襲撃の現場から逃げ延びた学生の一人(20)が、朝日新聞の取材に応じた。警察が学生たちに向かって銃撃してきた時の様子など、恐ろしい体験を生々しく語った。 事件があったのは9月26日夜。ゲレロ州ティクストラの集落アヨチナパにある教員養成学校の1、2年生約80人が、同州イグアラ市で募金活動を終え、バスで学校に戻る途中だった。 匿名を条件に取材に応じた学生によると、80人は5台のバスに分乗。この学生は、他の約15人と一緒に先頭のバスに乗った。途中で他のバスは距離が離れて見えなくなった。 午後8時半ごろ、突然、バスが警察によって止められた。5台ほどのパトカーと大きな銃を構えた約20人の警官が並んでいた。近くにいた友人に他のバスの仲間から、「警察が発砲している。1人が殺された」と電話があった。この情報で、車内はパニ