ブックマーク / realsound.jp (163)

  • いま女性アイドルに“姉妹グループ”は必要? AKB48、ハロプロ、坂道……それぞれの打ち出し方を比較

    AKB48にはSKE48、NMB48、HKT48、NGT48、STU48、ももいろクローバーZには私立恵比寿中学、TEAM SHACHIなど人気アイドルグループには“姉妹グループ”が存在する。 姉妹グループとは、姉=軸となるグループと事務所が同じ、またはプロデューサーら運営チームが同じなど、体制的に共通点をもった後発グループのことである。よく似た呼称に“第2・第3のグループ”というものがあるが、そこには微妙な違いがあると筆者は考える。 姉妹グループは、姉のグループのコンセプトを継承するなど世界観や方向性にリンクするものがあり、文字通り、血筋を感じさせる部分が多いように思う。一方で第2・第3のグループという呼称では、コンセプトなども含め基的には別モノとして考えた方が良いだろう。こちらは姉妹ではなく、クラスメイトや部活仲間のようなニュアンスが近いかもしれない。 だが、いずれの呼び方であっても

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    krkw_mshr 2022/09/06
  • 『輪るピングドラム』は新たな宗教哲学か 劇場版に追加された不気味な予言シーンも

    TVアニメ『輪るピングドラム』の放送から、およそ10年の時を経て、新作パートを加えた総集編として新たに構築された、『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』前後編。後編となる『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編]僕は君を愛してる』の公開日、2022年7月22日の2週間前にあたる7月8日には、日で元総理大臣が演説中に銃撃されるという重大事件が起こった。 逮捕された容疑者は、「自分の母親が宗教団体の信者で、元総理が団体と親しいと知って狙った」と供述。母親の宗教団体への多額の献金によって家庭が崩壊したことが、犯行へと繋がる動機となったことが分かっている。そこから背景についての報道は加熱し、政治と宗教との長年にわたる癒着や、「宗教2世」といわれる、親がカルト的な信仰を持っている子どもたちの境遇など、これまで大々的に報じられることのなかっ

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    krkw_mshr 2022/08/19
  • 佐野元春に聞く、最高を塗り替えていく音楽家であり続けるための秘訣 欠かせないバンドの存在も

    佐野元春が7月にリリースした最新作『今、何処』が、各所で反響を呼んでいる。4月にリリースされた『ENTERTAINMENT!』と合わせて完成までに約3年を要したという作には、パンデミック前に書かれた曲が収められているのだが、数年前には想像もできなかった混沌とした現在の世相にフィットした楽曲たちが並んでいるのには驚く。個を尊重するということ、どう“今”と向き合い“明日”を迎えるのかといった、世代問わず今を生きる人々の心に軽やかに、しかし深く語りかける言葉の数々が印象的だ。また、ライブを重ねる中で磨かれてきた小松シゲル(Dr)、高桑圭(Ba)、深沼元昭(Gt)、藤田顕(Gt)、渡辺シュンスケ(Key)らTHE COYOTE BANDと鳴らすサウンドも円熟の極みに達していて、バンドとしての充実ぶりも伝わってくる。 今回リアルサウンドでは、聞き手に音楽ジャーナリストの宇野維正氏を迎え、佐野元春に

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    krkw_mshr 2022/08/07
  • 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』が描いていた“アメリカのもうひとつのリアル”

    1985年に公開され世界的大ヒットを記録した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。すぐさま続編企画が立ち上がり、監督のロバート・ゼメキスと相棒の脚家ボブ・ゲイル(2人揃って“ボブ&ボブ”)は、1作目に冗談半分で付け加えた「今度は未来へタイムスリップ!」というオチから直結する壮大なストーリーをひねり出すことになった。脚は200ページ超まで膨らみ続け、最終的には二部作として『PART2』が1989年の冬に、『PART3』が1990年の夏に連続公開されることが決まった。 皮肉な悪意と生々しさに満ちた世界観 タイム・パラドックスという難しいSF理論をテーマにしながら、1作目のストーリーは「現在(1985年)→過去(1955年)→少し変化した現在(1985年)」という、シンプルな行きて帰りし物語の構造をもっている。しかし『PART2』のタイムスリップの経路は複雑だ。「現在(1985年)→未来(20

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    krkw_mshr 2022/07/11
  • 冨田ラボ×早見沙織、坂本真綾作詞「DEEPER」で起きた化学反応 互いのラブコールで実現したコラボ曲誕生まで

    冨田ラボ×早見沙織、坂真綾作詞「DEEPER」で起きた化学反応 互いのラブコールで実現したコラボ曲誕生まで 冨田ラボがニューアルバム『7+』をリリースした。 20周年のアニバーサリーを記念した作には、「煙たがられて feat. 細野晴臣」「HOPE for US feat. 磯野くん (YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY (Tempalay), TENDRE, 吉田沙良 (モノンクル) & Ryohu (KANDYTOWN)」「DEEPER feat. 早見沙織」「ディストピア feat. AAAMYYY (Tempalay)」「須臾の島 feat. ぷにぷに電機」などを収録。日のポップマエストロ・冨田ラボの音楽世界を更新する作品に仕上がっている。 リアルサウンドでは、冨田と早見沙織の対談をセッティング。両者の交流や音楽的なルーツのほか、坂真綾が作詞、早見

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    krkw_mshr 2022/07/08
  • カウンターカルチャー神話が音を立てて崩れていくーー速水健朗の「『ローリング・ストーン』の時代」評

    『ローリング・ストーン』誌の創刊は、1967年。サンフランシスコのヘイト・アシュベリーで盛り上がっているヒッピーやマリファナやLSD、そして、その街のロックミュージック。その文化に近い場所にいた若きヤン・ウェナーは、新しい世代に向けたメディアの創刊を思いつく。 グレートフル・デッドやジェファーソン・エアプレーンといった地元のロックバンド、そのシーンやボブ・ディラン、ローリングストーンズなど、60年代のロックシーン話は、いくつも登場しているが、書にとって前段に過ぎない。むしろ、メインとして掘り下げるのは、『ローリング・ストーン』誌の創刊編集長ヤン・ウェナーの人間そのものだ。1967年の時点では、シリアスな"ロック批評"も、雑誌の役割のひとつだったが、編集方針は瞬く間に変わっていく。 音楽と広告が交差するメディアとしての確立も、比較的早い段階のこと。インタビューの次のページに見開きでレコード

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    krkw_mshr 2022/07/04
  • まさにリアル版『アイドルマスター』 『NOBROCKドキュメント』が見せる佐久間宣行の魅力

    『ゴッドタン』(テレビ東京系)のプロデューサーとしてお馴染みの佐久間宣行氏。2021年7月に開設した自身のYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」は、現在登録者数50万人と迫る。 順風満帆のYouTube運営を見せる佐久間氏ではあるが、新たにYouTubeチャンネル「NOBROCKドキュメント」を開設し、1目の動画を6月7日に投稿。現在5しか投稿されていないが、今後の展開を期待させる内容となっている。 共通の夢を持たないメンバーたち まず、佐久間氏が以前プロデューサーを務めた番組『青春高校3年C組』(テレビ東京系)内で誕生したアイドルグループ「青春高校3年C組アイドル部」のメンバーから、「佐久間さんにプロデュースしてもらえませんか?」という依頼が来たところから動画は始まる。 どうやら、放送期間中は『君のことをまだ何にも知らない』『好きです』などシングルを出してはいた

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    krkw_mshr 2022/06/23
  • 意識的に避けられてきた“ストーリー”を破格の予算で描く AppleTV+『パチンコ』の試み

    『クレイジー・リッチ!』(2018年)、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)、『フェアウェル』(2019年)、『ミナリ』(2020年)、『イカゲーム』(2021年)、『ドライブ・マイ・カー』(2021年)などなど、中国韓国、日を含めた東アジアの作品や、その地域にルーツを持つ人々を描いた作品が、近年アメリカでも注目され、さまざまな賞を受賞している。これまで注意を向けてこられなかった人々の「ストーリー」が、いま脚光を浴びているのである。 ここで取り上げる、Apple TV+配信の『Pachinko パチンコ』は、ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする、70を超えるベストリストに名を連ね、オバマ元大統領の推薦図書ともなった、アメリカ在住の韓国系の作家ミン・ジン・リーによる同名小説を、アメリカでドラマ化したシリーズだ。その内容は、韓国の釜山から日大阪移住した女性から始まる、一族の数

    意識的に避けられてきた“ストーリー”を破格の予算で描く AppleTV+『パチンコ』の試み
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    krkw_mshr 2022/05/01
  • 菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(後編):ジェーン・カンピオンは「過剰な男性性」を裁いただけなのか?

    菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(後編):ジェーン・カンピオンは「過剰な男性性」を裁いただけなのか? 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(後編)/唯一オスカーを受賞したジェーン・カンピオンは「過剰な男性性」を裁いただけなのか? 前編:菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(前編):絵に描いたように<古くて新しい>傑作 中編:菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(中編):映画が「ジャンル」自体をチェンジしてしまう時に発生する「怖さ」の質と量 ウィル・スミスの松の廊下とウクライナ戦争 現在(4月3日)、米国アカデミー賞の授賞式も終わり、ウィル・スミスの松の廊下も(多くのメディアがあのクリス・ロックを「黒人コメディアン」「(単に)コメディアン」としているのはかなり遺憾に思うが、まあ仕方ない)、『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞(元・「外国語映画賞」)しか受賞しなかったことも(多くの

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    krkw_mshr 2022/04/27
  • 2020年代のボカロ文化は“一周”したが故の多様さを持つ――『プロセカ』『ボカコレ』運営と“初音ミク生みの親”が語り合う

    今回で4回目を迎える、ドワンゴによるボーカロイドの祭典『The VOCALOID Collection』(通称ボカコレ)。2000年代から多数の人気アーティスト、作曲家、イラストレーター、動画クリエイターの卵を生み出してきた、「ニコニコ動画」上で行われる。 一方、2020年にSEGA×Colorful PaletteがリリースしたiOS/Android向けゲームプロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(通称プロセカ)は、10代をはじめとする新たな層へのリーチにおいて、大きく貢献した。現在のボカロシーンは、この両者によって下支えされていると言っても過言ではないだろう。 そして、「初音ミク」を始めとする歌声合成ソフトを企画し、いまなお多数の関連プロジェクトの監修を務めるクリプトン・フューチャー・メディア(以下、クリプトン)。 今回はそんな三社を代表し、株式会社ドワンゴか

    2020年代のボカロ文化は“一周”したが故の多様さを持つ――『プロセカ』『ボカコレ』運営と“初音ミク生みの親”が語り合う
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    krkw_mshr 2022/04/22
  • 野田クリスタル × syudouが語り合う 「爆笑」とお笑い&音楽をめぐる二人の創作論

    音楽シーンを牽引するプロデューサー/アーティストを多数輩出するボーカロイド文化の今を伝える祭典として、2020年の12月に第1回が開催された『The VOCALOID Collection』。その第4回『The VOCALOID Collection ~2022 Spring~』が、4月22日より開催される。 これまでも数々の豪華なインタビュー・対談を行ってきた『The VOCALOID Collection』特集だが、今春もスペシャルな組み合わせが実現。登場してくれたのは、お笑い芸人における賞レースの最高峰『M-1グランプリ 2020』で王者に輝いたマヂカルラブリーの野田クリスタルと、同じ2020年を代表するヒット曲のAdo「うっせぇわ」で作詞・作曲を手がけたアーティスト・syudouの2人。どちらかの、そして互いのファンは知っているだろうが、彼らにはsyudouの楽曲「爆笑」を巡

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    krkw_mshr 2022/04/13
  • 『SING/シング:ネクストステージ』にみるシリーズ人気の理由 娯楽産業の抗い難い魔力

    ユニバーサル・ピクチャーズ傘下のアニメ製作会社「イルミネーション」の劇場作品の一つとして多くの観客を魅了、予想を超える評価を獲得した『SING/シング』(2016年)。さまざまな動物たちが文化的に暮らす世界を舞台に、さびれた劇場で行われる歌のコンテストが、多くの動物たちの心を動かす様を、ヒットソングの数々とともに見せていくアニメーション作品である。 大きな支持を受けて、この度製作された続編『SING/シング:ネクストステージ』は、スケールが飛躍的に大きくなるとともに、前作と同様に印象深く味わい深い内容となった。日でも、現時点で週間興行収入ランキングで3週連続1位を獲得する成功作となっている。ここでは、そんな『SING/シング』シリーズの人気の理由や、作『SING/シング:ネクストステージ』で描かれていたものは何だったのかを考えていきたい。 前作『SING/シング』では、劇場の支配人であ

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    krkw_mshr 2022/04/07
  • 『私ときどきレッサーパンダ』は時代を変革する 映画史上に残る重要作品となった理由

    ピクサー・アニメーション・スタジオから、新たに時代を変革し、後世にまで大きな影響を与えることになるだろう、アニメーション映画の名作が、ついに出現した。『私ときどきレッサーパンダ』である。 ディズニープラスでの配信開始後、すでに各方面から高く評価されているが、おそらくそれだけにとどまらず、アニメーション史、映画史上に残る重要作品として、長きにわたって輝き続ける決定的な一作になるのではないか。ここでは、そんな作がどのように凄いのか、そして、どう時代を変革するのかを、内容を振り返りながら解説していきたい。 作の舞台は、2000年代のカナダの大都市トロント。そのチャイナタウンに住んでいる13歳のメイメイは、教育熱心で少々過保護な母親の期待に応えるべく頑張っている秀才の女の子だ。しかし最近、彼女には変化が表れ始めていた。思春期に突入した彼女は、学校の気の合う親友たちと同じくアイドルグループに夢中

    『私ときどきレッサーパンダ』は時代を変革する 映画史上に残る重要作品となった理由
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    krkw_mshr 2022/03/27
  • 「SFマガジン」91年生まれの新編集長・溝口力丸が語る、伝統への挑戦「手の届かない遠さまで未来を求めようとする姿勢が大事」

    昨年12月、溝口力丸氏が「SFマガジン」編集長に就任した。溝口氏は、担当した同誌の百合特集や伴名練『なめらかな世界と、その敵』をヒットさせるなど、SFに新風を吹きこんできた。その編集者としての歩みと「SFマガジン」の未来について聞いた。(円堂都司昭/3月9日取材・構成) 『SFマガジン 2022年 4月号』 ――出版界に入る前の読書傾向は。 溝口:大学では都甲幸治先生に現代アメリカ文学を教わり、トマス・ピンチョン、リディア・デイヴィス、ジョナサン・フランゼンなどを読んでいました。また、小学生の頃からエッセイが好きだったので、さくらももこから入って遠藤周作、北杜夫、佐藤愛子、内田百閒。現在との接点をあげるなら筒井康隆、小松左京もけっこうエッセイを書いていたし、星新一のショートショートはみんな読んでいましたから、そこらへんがSFとのファーストコンタクトでした。星新一訳のフレドリック・ブラウンの

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    krkw_mshr 2022/03/24
  • 栗原裕一郎×大谷能生×南波一海が語る、音楽批評の現在地 「内容を薦めるのと、好きだから拡散するというのは違う」

    栗原裕一郎と大谷能生による共著『ニッポンの音楽批評150年100冊』(立東舎)は、明治初年前後から令和初頭までのおよそ150年のあいだに、日において「音楽」がどのように記述され、語られてきたのか、音楽批評の歴史的変遷を辿った一冊だ。 1876年から2025年までを30年ずつに区切り、その「通史」を描きだすとともに、その時代に出版された代表的な「音楽」について解説した書は、インターネットの興隆によって音楽を巡る状況が著しく変化し、批評そのものの是非が問われている昨今にこそ参照したいである。リアルサウンド ブックでは、著者の栗原裕一郎と大谷能生に加え、書で音楽批評の最前線にいると紹介される南波一海を招いた鼎談を行った。(編集部) 『ニッポンの音楽批評150年100冊』(立東舎) 南波:改めて栗原さんと大谷さんが著を著した経緯を教えてください。 栗原:2013年にイベント『ニッポン

    栗原裕一郎×大谷能生×南波一海が語る、音楽批評の現在地 「内容を薦めるのと、好きだから拡散するというのは違う」
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    krkw_mshr 2022/03/21
  • 宮台真司の『ニトラム』評:無差別殺戮事件の背景を神話的に描き出した稀有な作品

    世界中を震撼させた無差別殺戮事件の背景を神話的に描き出した稀有な作品 〜ジャスティン・カーゼル監督『ニトラム/ NITRAM』~ 【この種の作品の製作と批評の難しさ】 こうした作品を製作するのは難しい。凶悪な犯人に寄り添う作品は、人々に彼を理解する ことを求める。だが理解を表明すれば、凶悪犯を擁護しているとして炎上しかねない。加えて、自分も同じような境遇だと感じる人々が似た犯罪に動機づけられる可能性さえある。 同じ理由で、こうした作品を批評するのも難しい。上記の理由に加えて、作品のシニフィエである社会について論じることを要求されることも、批評する側の重荷になる。作品内の物語や映像構成や視座や世界観を論じるだけでは、逃げたと見做されてしまうのである。 それでも、こうした作品は作られる必要があり、批評される必要がある。似たような無差別殺戮が繰り返される背景にある僕らの社会が抱えている問題を、映

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    krkw_mshr 2022/03/17
  • SiM、『進撃の巨人』OPテーマが米ビルボード1位の快挙 至福の最恐ソング「The Rumbling」誕生までのバンドの歩み

    SiM、『進撃の巨人』OPテーマが米ビルボード1位の快挙 至福の最恐ソング「The Rumbling」誕生までのバンドの歩み SiMがなんと米ビルボード・チャート1位を獲得した。 湘南発のレゲエパンク4人組が、音楽/アニメファンを巻き込んで世界中のリスナーを騒然とさせているのだ。同じ日人として、SiM音楽やライブを観続けてきた一人として、これほど嬉しいニュースは他にない。 詳細を述べると、NHK総合で放送中のTVアニメ『進撃の巨人』The Final Season Part 2のオープニングテーマにSiMの「The Rumbling (TV Size)」が起用され、1月22日付の米ビルボード・ホットハードロックソングチャートにて初登場3位にチャートインし、1月29日付の同チャートで遂に首位へと上り詰めたのだ。 2022年初頭から、まさに快進撃を見せるSiMとはどんなバンドなのか。ここで

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    krkw_mshr 2022/02/09
  • 気鋭のマイナー音楽系出版社・カンパニー社とは? 音楽批評の現在地を探る特別対談・前編

    カンパニー社という音楽系出版社をご存知だろうか。2019年に1冊目の書籍としてジョン・コルベット著『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』を世に送り出すと、リスナーのための即興音楽の入門書という国内では類例のない内容が一部界隈で大きな話題を呼んだ。 その後もアメリカの奇才芸術家ハリー・スミスのインタビュー集『ハリー・スミスは語る 音楽映画/人類学/魔術』、フリー・ジャズのディスクガイドの体裁をとった自由爵士音盤取調掛編纂『日フリージャズ・レコード図説』など、知る人ぞ知る話題作を次々に刊行している。 筆者は縁あって2021年1月に刊行されたカンパニー社5冊目の書籍『AA 五十年後のアルバート・アイラー』で編者として関わらせていただいた。またカンパニー社は出版事業のほかに音楽レーベルも運営しており、これまで大里俊晴『間章に捧げる即興演奏』とhikaru yamada hayato k

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    krkw_mshr 2022/02/02
  • 宇野維正の「2021年 年間ベスト映画TOP10」 エサを巣に運ぶ親鳥を待つだけのヒナとなるなかれ

    リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2021年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに分け、映画の場合は、2021年に日で公開された(Netflixオリジナルなど配信映画含む)洋邦の作品から、執筆者が独自の観点で10作品をセレクトする。第15回の選者は、映画音楽ジャーナリストの宇野維正。(編集部) 1.『DUNE/デューン 砂の惑星』 2.『イン・ザ・ハイツ』 3.『すべてが変わった日』 4.『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』 5.『ドント・ルック・アップ』 6.『プロミシング・ヤング・ウーマン』 7.『最後の決闘裁判』 8.『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』 9.『21ブリッジ』 10.『レット・ゼム・オール・トーク』 年の瀬に突然届いたジャン=マルク・ヴァレの訃報に打ちひしがれている。彼が『ビ

    宇野維正の「2021年 年間ベスト映画TOP10」 エサを巣に運ぶ親鳥を待つだけのヒナとなるなかれ
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    krkw_mshr 2022/01/01
  • 『マトリックス』シリーズとは何だったのか 『レザレクションズ』に込められたメッセージ

    2000年を挟んだ前後の時期に、映画史やその他のカルチャーに大きなインパクトを与えることとなったサイバーパンク・アクション『マトリックス』シリーズ。その、およそ20年ぶりの続編が公開された。“複数の復活”を意味する言葉を配した、『マトリックス レザレクションズ』である。 時代を代表するシリーズの新作ということで、当然ながら思い入れのある観客が、当時の懐かしさを感じながら劇場に駆けつけることとなったが、その反応は様々であり、否定的な意見も少なくないように感じられる。しかし、作が打ち出しているメッセージが、果たしてどれだけ理解されたのだろうか。作が撮られた理由、シリーズを復活せねばならなかった理由を理解することなしに、これら作品群を真の意味で味わい、考えることはできないはずである。ここでは、そのメッセージとは何だったのかを、たっぷりと解説していきたい。 作に登場するのは、都会を睥睨する高

    『マトリックス』シリーズとは何だったのか 『レザレクションズ』に込められたメッセージ
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    krkw_mshr 2021/12/27