R-2021-052 筆者は、1月18日に自民党の財政政策検討本部[1]の会合に出席し、信用創造の仕組みについて報告した。MMT(現代貨幣理論)に近い参加者が多いとされる同本部で、3年前に執筆したレポートで筆者が「通説よりも実態に即したもの」と評した[2]MMT派の信用創造論について解説したことになる。筆者の基本的な理解は3年前から変わっていないが、今回はバランスシート(以下、B/S)を図式化したTバランスを使って説明したので、ずっと理解し易いものになったと思う。なお、この会合では、必ずしもMMT派の主張ではないが、日本国内に拡がっている「日銀が国債を買入れれば、国債の償還負担はなくなる」という誤解を正す説明も行なった。こちらもTバランスを使うことで明快に説明できるからである。以下では、この時の筆者の説明について、解説を加えながら紹介し、読者の理解に資することとしたい。 信用創造の理解:貸