マナマで13日、当局による拘束中に死亡した男性の遺体を囲み、悲しむ人々=AP バーレーンの反政府デモを主導したイスラム教シーア派の議会会派・イスラム国民統合協会(ウィファーク)は13日、当局に拘束されていた支持者の男性が死亡したと明らかにした。AFP通信が伝えた。 当局は死亡を確認していないが、ウィファークは拷問を疑っている。当局がデモ弾圧を強めた3月中旬以降、拘束中に死亡したケースは4人目だという。 一方、国際人権団体ヒューマンライツ・ウオッチは13日、拘束者の死亡が相次いだことについて「検察当局は捜査すべきだ」とする声明を発表。同団体が1人の遺体を見たところ、「ひどい虐待の痕」があったとしている。 ヒューマンライツ・ウオッチによると、これまでに野党の活動家、弁護士、教師ら600人以上が、当局に拘束されたり行方不明になったりしているという。(マナマ=北川学)
福島第一原発の廃炉や敷地の除染などには「数十年から100年かかる可能性がある」――。英科学誌ネイチャーは、11日付電子版で、米スリーマイル島(TMI)原子力発電所事故を経験した専門家らの見方を掲載した。 記事によると、福島第一原発の建設の一部を請け負った東芝による「10年程度」という廃炉計画について、TMI処理の経験者は「福島第一原発でははるかに時間がかかるだろう」と述べている。原子炉が安定しておらず、さらに放射性物質が大量に放出される可能性も残っているからだ。 TMIを経験した別の技術者は、福島第一原発で採用されている沸騰水型炉(BWR)は「配管や弁などが密集している」と指摘。TMIより作業が難しくなる可能性を示唆した。 また記事では、旧ソ連・チェルノブイリ原発では事故から約80年後に当たる2065年まで除染が行われる予定、と言及している。(ワシントン=勝田敏彦)
生きる喜びを深く平明な言葉で表した詩人で童話作家の岸田衿子(きしだ・えりこ)さんが7日、髄膜腫で死去した。82歳だった。葬儀は近親者で行った。お別れの会を後日開く予定。喪主は長男未知さん。 劇作家の岸田国士(くにお)の長女で、俳優の岸田今日子は妹。東京芸大油絵科卒。20代の時、詩人の川崎洋と茨木のり子が創刊した詩誌「櫂(かい)」に加わり、本格的に詩作を始めた。子供でもわかるような易しい表現による作品が多い。詩集に「ソナチネの木」「いそがなくてもいいんだよ」など。 童話や絵本も数多く手がけた。代表作に親友の画家、中谷千代子と組んだ「かばくん」「ジオジオのかんむり」などがある。 昨年末に肺炎で入院し、今年2月に退院したが、今月6日に容体が急変した。
文部科学省は12日、福島県で採取した土壌と植物からストロンチウム89と90を検出したと発表した。福島第一原発から放出されたとみられるが、セシウム137に比べ、半減期が29年のストロンチウム90は約1千分の1以下の量だった。今回の原発事故で、ストロンチウムの検出は初めて。 発表によると、土壌のサンプルは浪江町で2点と飯舘村で1点、3月16、17日に採取され、分析された。この結果、土壌1キロ当たり、ストロンチウム90は最大で32ベクレルだった。半減期が約50日のストロンチウム89は最大で260ベクレル。同時に分析されたセシウム137は1キロ当たり5万1千ベクレルで、ストロンチウム90の値は、この0.06%の量だった。 農業環境技術研究所によると、1960年代の核実験などの影響で、通常でもストロンチウム90は土壌1キロあたり平均1.2ベクレル程度、検出されるという。 植物では大玉村などで採
菅政権は福島第一原発から半径20キロ圏の避難地域以外で累積の放射線量が高い地域に対し、新たに避難指示を出す方針を固めた。11日にも発表する。屋内退避の指示が出ている20〜30キロ圏内の一部地域や、30キロ圏外の一部地域が新たに加わることになる。 福山哲郎官房副長官は10日のフジテレビの番組で、避難地域の拡大について「総理からは、安全確保を最優先でやれと指示されている。各市町村、県と綿密に協議しながら判断していきたい」と述べた。 新たな避難地域は、放射線の積算量が年間20ミリシーベルト以上に達すると予想される地域で、「計画避難地域」とする。住民は1週間程度の準備期間を経て、政府が用意するバスなどで避難する。新たな避難地域は従来のような同心円状にはならず、まだら模様になる見通しだ。 福島県北部など一部地域では、風向きなどの影響で放射線の積算量が高くなっている。原子力安全委員会は「緊急事態
放射性物質による土壌汚染が懸念される飯舘村の水田。今年の作付けができないおそれが出ている=9日午後2時ごろ、木村写す イネを作付けできない水田で、バイオマス燃料の原料となるヒマワリやナタネなどを作付けしたい――。福島第一原子力発電所から漏れた放射性物質による土壌汚染が確認された福島県飯舘村の菅野典雄村長が9日、同村を訪れた鹿野道彦農林水産相に提案した。 政府は8日、土壌中の放射性セシウム濃度が土1キログラムあたり5千ベクレルを超える水田では、イネの作付けを禁止するという基準を発表した。近く作付け禁止地域を定めるが、飯舘村では基準を超える水田が出ており、村全域の水田が作付け禁止となる可能性がある。 菅野村長は9日の会談で、禁止地域でバイオマス燃料の原料となる農産物を作付けして農地を維持・保全し、農家の営農意欲も支えたいと説明した。鹿野農水相は「どういう作物が(放射性物質を)吸い上げる量
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件などを受け、特捜部が逮捕する一部の容疑者の取り調べで全過程の録音・録画(可視化)が試行されることになった。笠間治雄・検事総長に試行を指示した江田五月法相は8日の記者会見で、「このくらいはやってもらわないと、検察の信頼回復の道筋はつかない」と語気を強めた。 最高検の試行方針は、調書内容を確認する場面などに限り、検察官の裁量で場面を決められる「一部録音・録画」だった。これに対して、改ざん事件後に設置された「検察の在り方検討会議」は3月末、可視化の範囲拡大などを提言。江田法相から方針転換を指示された笠間検事総長は「現場の人には前向きにやってもらいたい」と、一線の検事らに会見で呼びかけた。 関西のある検察幹部は朝日新聞の取材に「仕方がない。これからは(罪に問わないことを条件に供述を得る)司法取引などを参考にして、新たな捜査手法を考えるべきだ」とするが、現場の反発は
東日本大震災の復興対策について、与野党の党首らが首相に助言する「非常事態対策院」構想が検討されていたことがわかった。事実上の大連立構想で、菅直人首相にも伝えられたが、首相は乗らず、幻に終わった。 構想を練ったのは、亀井静香・国民新党代表、村上正邦・元自民党参院議員会長、民主党の小沢一郎元代表の側近である平野貞夫・元参院議員の3人。明治憲法下、天皇の最高諮問機関として伊藤博文らで構成した「枢密院」が構想の基本にある。 対策院は与野党の党首が同意したうえで国会決議で設置。政府、政党、地方自治体、経済界、労働界、言論界の代表者でつくり、原発事故対応や復興の基本方針、具体的な政策立案を行う。政府は提案を丸のみすることを想定。「緊急事態であり、首相は代えられない」として菅首相の続投を前提にしている。 亀井、村上両氏は3月下旬、仙谷由人官房副長官と会談。仙谷氏は理解を示し、首相に提案することでま
福島県の町村会と町村議会議長会の代表者ら15人が8日、東京電力や中央省庁を訪れ、「福島第一原子力発電所の事故を一刻も早く収束させること」などを求めた。東電の山崎雅男副社長は「多大なご迷惑、ご心配をかけて申し訳ありません」と陳謝をした。 県町村会は、原発の立地町を含む46町村で構成される。東電への申し入れで、同会会長の浅和定次・大玉村長が「恥も外聞もなく、世界中に助けを求めてほしい」と危機感を表明。他の出席者からも「事故で、地域の将来の見通しが立たない」「補償をいつまでするのか、示して欲しい」との声が飛んだ。東電側は「要望を真摯(しんし)に受けとめて、誠実に対応する」と繰り返したが、明確な返答はなかった。 町村会などはこれに先立ち、中央省庁なども訪れ、被害者救済のための特別措置法などを要望。総務省では、町村会側が、福島第一原発の周辺8町村が役場機能の移転を余儀なくされていることを取り上げ
イスラエル軍が開発したロケット弾防衛システムが7日、パレスチナ自治区ガザから発射されたロケット弾を撃ち落とした。先月末に配備が始まったシステムで、実戦で迎撃に成功したのは初めて。 同軍によると、「アイアンドーム」と名付けられた移動式防衛システムで、ガザからイスラエルのアシュケロン方向に向けて発射されたロケット弾を迎撃したという。アイアンドームは先月末から今月にかけ、南部ベールシェバとガザ北方のアシュケロン近郊に配備されていた。 ガザの武装勢力やレバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの攻撃に対抗するため、イスラエルの軍需産業ラファエル社が開発した。レーダーなどを使い着弾点を推計、被害が出る可能性がある場合に限り、迎撃するという。 一方、7日午後、イスラエル南部ナハローズ近郊で、ガザから発射された対戦車砲弾がバスに命中し、運転手と16歳の少年1人が負傷。ガザを支配するイス
「作業員の安全」か、「原発事故の収束」か――。高濃度の放射能に汚染された福島第一原発で、復旧作業員に危険を強いることへの懸念が高まっている。放射線被曝(ひばく)への補償・手当の見直しなど、課題は山積みだ。 「仕事に『命がけ』があっていいわけがない。でも、今回、原発を抑え込むことの重要性は、労働政策の域をこえた問題だ。労働者の安全とどちらが優先されるべきか、自信が持てない」。未曽有の事態を前に、厚生労働省幹部は揺れる心情を打ち明けた。 作業環境は日に日に悪化しつつある。同省は、東電が作業員に放射線量を測る携帯線量計を持たせずに作業していたため、調査を開始。現場への立ち入りが難しい中、「問題点には厳しく対処していく」という。それでも、厚労省職員の胸中は複雑だ。「『原発の危機を早く収束させてほしい』という国民の期待が大きい。労働者の安全確保に影響するのでは」と今後を懸念する見方も出ている。
英国の地図 放射性物質の流出として過去最悪とされる海洋汚染は、1960年代から70年代にかけて英国の核燃料再処理工場から起きた。周辺漁場で取れる海産物に今、基準を超える汚染は見られない。だが、廃液は今も海に流され続け、住民や周辺諸国は不信をぬぐえずにいる。 白いカモメの群れが高い煙突をかすめて飛ぶ。英北西部のセラフィールド。絵本「ピーターラビット」の故郷として観光人気の高い湖水地方から西へ約40キロ、アイリッシュ海に面した敷地に、再処理施設がたち並ぶ。 1950年代前半には、軍事目的で再処理が実施されていた。以来半世紀、再処理に伴い、放射性物質を含む廃液を海に流し続けてきた。濃度は70年代がピーク。その後は処理技術が向上したため、近年は100分の1以下になっている。 海洋汚染が発覚した80年代以降、付近の海岸は一時立ち入り禁止になっていた。放射性を帯びた溶液漏れ事故もしばしば起き、
東京電力福島事務所は31日、福島第一原発で作業員が受ける放射線量を測る携帯線量計の数が足りず、多い日で180人が線量計を持たずに作業していたと発表した。内規を改めてグループに1台で作業を進めてきたが、作業員が不安を訴え、他の原発から線量計を集めて全員に持たせることにした。 発表によると、線量計は地震前に5千台あったが、津波や建屋の倒壊で320台しか使えなくなった。このため、1人に1台持たせる内規を変更し、一定の条件下でグループで1台だけ持たせ、全員が同じ線量を受けたと見なしていた。 グループに1台としたのは、事前に作業場所の線量を測って線量に変化がない、作業で受ける総線量が10ミリシーベルト以下である、全員が同じ作業をする、という条件を満たす場合に限り、持っていなかった作業員の線量も把握できていたとしている。 不足分は福島第二原発や他の原発から集める予定で、作業が大きく遅れることはな
東京電力福島第一原子力発電所3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)事故をめぐり、東電側が1号機の同建屋でも同様の放射線量を6日前に把握しながら、注意喚起していなかったことが判明。東電側は26日、後手にまわった対応への釈明に追われた。専門家らは、ずさんな安全管理を批判している。 同日午前の東電本社。連日の記者会見に姿を見せた福島第一原発の藤森昭彦・環境担当は、注意喚起がなかった理由を問われ、言葉に窮した後、「十分な情報共有がなされていなかった。現場の混乱があったと思われる」。絞り出すような声だった。1号機関連の高い放射線量の公表が遅れたことについても、吉田薫広報部部長が「申し訳ない」と述べるにとどまった。 経済産業省原子力安全・保安院も、東電から1号機関連の報告を25日未明に受けながら、公表したのはほぼ1日後。西山英彦審議官は「3号機に神経が集中していたという事情があっ
事故評価と放射能放出量 東京電力福島第一原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することがわかった。すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になった。局地的には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する土壌汚染も見つかっている。放出は今も続き、周辺の土地が長期間使えなくなる恐れがある。 原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万〜11万テラベクレル(テラは1兆倍)になる。 国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」
文部科学省は23日、福島第一原発から約40キロ離れた福島県飯舘村の土壌から、高濃度のセシウム137が検出されたと発表した。単純比較はできないが、国が定めた放射線管理区域の基準値の4倍に相当する。半減期が8日と短い、放射性ヨウ素の値も、約30倍の値だった。今後、土壌の入れ替えが必要になる可能性も出てきた。 同省によると、20日午後0時40分に飯舘村で採った土1キロあたりから、セシウムが16万3千ベクレル、ヨウ素が117万ベクレル検出された。19日午前11時40分に同じ場所から採った土と比べ、セシウムで約6倍、ヨウ素で約4倍高くなった。 このほか、約45キロ離れた川俣町で19日に採った土からセシウム8690ベクレル、ヨウ素8万5400ベクレル、約25キロ離れた南相馬市でもセシウム4040ベクレル、ヨウ素3万5800ベクレルを検出した。 ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウム137は約3
【カイロ=貫洞欣寛】エジプトで19日、大統領任期を最長2期8年とすることなどを盛り込んだ憲法改正案の是非を問う国民投票が行われた。30年にわたったムバラク政権の崩壊後、民意を問う初の機会で、民主化に向けた重要なステップだ。民主化要求デモを主導した旧野党勢力の間で賛否は分かれており、承認されるかどうかは微妙な情勢だ。 実権を握る軍最高評議会は憲法改正を経て、8月までに次期大統領選と人民議会(国会)選を行い、民政移管するとしているが、否決されれば軍が進めるロードマップ(行程表)に影響を及ぼす可能性がある。 ムバラク政権が強権支配を続けた背景に、与党候補に極端に有利な大統領選挙制度があったとして、改正案では、立候補資格が緩和され、これまでほぼ不可能だった野党や無所属からの立候補ができるようにした。任期を6年から4年に短縮、3選は禁止となっている。 改正案に対し、エジプト最大の旧野党勢力ムス
3月中のJリーグ全試合の中止が決まり、各クラブは15日、活動休止や練習日程の変更などを相次いで決めた。 J1鹿島は無期限の活動休止を発表した。水道、ガスなどのライフラインが復旧せず、食料とガソリンの不足も深刻なためだ。選手は各自実家などに移動し、オリベイラ監督らブラジル出身のスタッフ、選手は帰国するという。井畑滋社長は「余震と、(福島第一原発の事故による)放射線の被曝(ひばく)も風向きによって影響がある。選手が抱えるストレスが大きい」と話した。 スタジアムが被災したJ2水戸は練習休止を20日まで延長。J1浦和は16日から21日までオフにすることを決めた。モンテネグロ出身のペトロビッチ監督は15日に一時帰国した。仙台市に実家のあるMF青山は両親を迎えにいったという。J1大宮も18日までオフにするという。 また、J1横浜マは15日、原発事故により横浜市内の放射線量が上昇したことから、全体
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