証人喚問の限界と、野党の力不足が明確になった。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で27日、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の証人喚問が衆参予算委員会で行われたが、野党は核心に迫る証言を引き出せなかった。国際情勢が激動し、世界貿易戦争の兆候もみられるなか、1日約3億円もかかる国会で結果の伴わない空騒ぎが許されるはずがない。真相解明はプロである大阪地検特捜部に任せて、再発防止の立法など本来の仕事に戻ったらどうか。このままでは、「無能」「税金泥棒」と揶揄(やゆ)されかねない。 「どういう経緯で、誰がどう具体的に指示をしたかということは、明らかになっていない。まさに裁判の、司法の土俵になる」 佐川氏は27日午後の衆院予算委の証人喚問で、こう語った。疑惑のキーマンが「改竄問題の解明は、あなたたち野党では到底無理だ」と通告したようにも聞こえた。 野党色が強い