「私は人を殺さずにすんでよかった」。取材の後、中国侵略日本軍の元兵士である94歳の高橋哲郎氏(以下敬称略)は人民網の取材にそう語った。中国人を「殺さずにすんだ」というこの日本人元兵士は、その生涯の多くを、日本軍国主義の侵略の罪を懺悔し、歴史の真実を人々に伝えることに費やしてきた。「歴史への理解と反省なしに日中友好を実現することはできない」と高橋は語る。 ▽軍隊は嫌いだったが召集受ける 日本は明治維新後、急速な発展を遂げ、欧米列強の分捕り合戦の餌食となっていたアジア諸国の中で真っ先に工業化を実現した。これと同時に、民族主義的な優越感と拡張の野心も芽生え始めた。軍国主義はゆっくりと、日本社会の支配的な思想となっていった。軍国主義者は「大東亜共栄圏」を叫び、アジア諸国を欧米列強の圧迫から救うのだと主張しながら、隣国への侵略と拡張を進めた。日本は中国を覇権実現の生命線とみなし、軍隊を送って侵略占領