京都市に譲渡されて来年2月で丸10年になる伏見桃山城(伏見区)の天守閣の活用策が決まらない。五層七重の威風堂々たる天守閣は、半世紀前の建築で設備が古く、耐震性がないことも判明。数億円とされる補修費の捻出は財政が窮迫する城主・京都市には困難で、立ち入り禁止となっている。再び登城が許される日は来るか−。 城は1964年3月に遊園地内に完成。地域に親しまれたが、レジャーの多様化で来園者が減少し、2003年1月に遊園地が閉園。当初、破却方針だった天守閣は地域シンボルを惜しむ地元の強い要望で、市に無償譲渡された。 ところが、10年経っても有効な活用策が見つからない。利用するにも内部設備が古い上、バリアフリー対応ではなく、電気や水道も1階にしか整備されていない。 この間、市の耐震調査で現行基準にとどかず、耐震性がないことも判明。「耐震補強だけで4億〜5億円」(市スポーツ振興室)という改装費用捻出