犯罪行為や問題行動を起こした知的障害者が、自らの感情をコントロールして他人とうまくつきあえるようになるための訓練プログラムの開発に、大阪府立砂川厚生福祉センター(同府泉南市)が取り組んでいる。全国でも例がない試みといい、福祉とつながることができずに犯罪を繰り返す「累犯障害者」の支援に役立つと期待されている。 10平方メートルほどのカウンセリング室。センター職員と向かい合ってソファに腰を下ろした入所者が、喜怒哀楽の表情を描いたシールを見ながら1週間を振り返った。「年下の職員が掃除をしろと生意気なことを言うので、ドアをけ飛ばした」。怒りのシールを見て思い出した出来事を強い口調で語る。 衝動的な行動に走りやすい人が対話を通じて過ちを振り返り、怒りのきっかけを理解して正しい行動を身につけるアンガー・コントロール・トレーニング(ACT)。センターでは新年度中の完成をめざし、知的障害者向けのACT