「女性だけの街」という発言が話題になった。賛否はともかく、女性が日常的に「男性からの暴力被害を恐れている」ことを浮き彫りにするものではあったと言えよう。 これに対し、法務省の発表している平成29年版 犯罪白書などを元に「男性の方が倍ぐらい被害に遭いやすく、女性の危機感は幻想」といった反論が見られたのだが、些か論旨が乱暴に過ぎるように感じられたため、少し検証してみることにした。 暴力被害の男女比を計算する 犯罪被害の男女比はこのようになっている。 実際の犯罪発生率それ自体ではなく体感的な「危険性」について考える場合、重要なのは「危害を伴うかどうか」だろう。即ち、この表のうち「窃盗」「詐欺」「横領」に関しては主に金銭被害を生じせしめるものではあっても直接的な危害を生じせしめるものではなく、「危険性」の面からは無視して良いと考えられる。 残る「殺人」「強盗」「強姦」「暴行」「傷害」「脅迫」「恐喝