GoogleのIPOに対する直観に基づく違和感 公開日時: 2004/05/07 09:14 著者: umeda 5月4日の「GoogleのIPO申請、そのやり方に異議あり」に対して、素晴らしい内容のTrackBackを磯崎哲也さんからいただきました。ありがとうございました。読者の皆さん、是非、こちらをお読みください。 磯崎さんはGoogleのIPO申請に問題がないことを、プロの立場から、論理的にかつ実務的詳細にわたって、日本語でお書きくださっているので、たいへん貴重な資料だと思います。僕もその内容を、論理的には100%理解し、合意し、納得します。 むろんGoogleほどの会社ですから、今回のIPO資料の背後には、どんな批判を受けようとも対応できるだけの論理を用意しています。磯崎さんの分析は、その総括的なものと位置づけてもいいかと思います。 僕の今回のGoogle IPO批判は、
グーグルの上場が話題になっている。 時価総額200億$以上とも言われる超大型IPOに、市場は翻弄されそうな気配がある。 いくらになるのかと言う下世話な関心はともかく、米Googleの創業者、Larry PageとSergey Brinの上場方針が興味深い。 オーナーズマニュアルの中で示されたその骨子は、以下のようなものである。 ①二種類の株式を発行し、上場後も創業者二人が経営をコントロールする。 ②短期的な業績予測は公表しない。 ③株主は長期的視点で株を保有して欲しい。 ④従業員には無料の食事、医療等の特別待遇を与え続ける。 わかりやすく言い換えよう。 ①公開して金持ちにはなるが、経営方針は自分たちだけで決めたい。 ②公表数値に縛られるのまっぴらごめんだ。 ③一般株主は金は出しても口は出さず、短期売買はせずに黙って持っていれば良い。 ④我々は特権階級である。 新たな挑戦とも言えるし、現行の
米Googleの創業者、Larry PageとSergey Brinは常に自分たちのやり方を貫いてきた。 そんな彼らの姿勢が最も顕著に現れているのが、Googleが新規株式公開(IPO)のために規制当局に提出した書類の中に含まれている「An Owner's Manual' for Google's Shareholders(Googleの株主のためのオーナーズマニュアル)」と題された全7頁からなる公開書簡だ。この書簡は、Googleの2人の共同創業者が公開企業としての同社の信条を明確に示す目的で作成した組織の宣言書であるが、その内容は公開企業の運営に関する従来の原則の大半に反するものとなっている。 Pageが執筆を担当したその書簡には、二人の共同創業者と同社CEO、Eric Schmidtの3人による指導体制から、短期的な利益のために企業理念を曲げるような“邪悪な”企業にはならないという組
検索大手のGoogleが待望のIPO(株式公開)を申請したが、この申請書類を調べてみると、「どこをライバルと考えているか?」「誰が取締役会に名を連ねているか?」「一体どのくらい儲かっているか?」など、何事にも秘密主義をとることで有名なこの会社に関する、いくつかの重要な疑問に対する答えが見つかる。 Googleは、米国時間29日に米証券取引委員会(SEC)に提出した申請書のなかで、3月31日時点で現金および現金同等物、短期投資を合わせて、総額4億5490万ドルの資金を有すると説明している。同社の経営はすでに黒字で、3月31日締めの四半期には、売上3億8960万ドルに対し6400万ドルの純所得(1株あたり42セント)を計上している。 このほかに注目すべき点は以下の通り: 従業員数は、保有する現金と同程度のペースで増えている。常勤者はここ数年で倍増し、2001年の284名から今年は1907名とな
今年も押し迫ってきたので、一応、Googleのことを少し書いておこうと思う。何といっても2004年最大の出来事はGoogleの興隆であったから。Fortune誌がGoogle総括長文記事「GOOGLE @ $165 Are These Guys For Real?」とCEOのEric Schmidt長文インタビュー「Searching for Google's Future」の両方を読むと、「Googleの今」がよくわかる。定期購読者のみのコンテンツゆえ、あまりたくさん引用できないので、解説はポイントだけにとどめよう。 GoogleのAdSenseで生計を立てる人々 英語圏においては、GoogleのAdSenseで生計が立つ人が増えているということが非常に重要だろう。小遣い銭程度になるというのと、生計が立つというのでは雲泥の差があるからだ。 Fortune記事の冒頭は、 「Jon Gale
「通りすがりA」さんからいただいたコメントから。 私が言いたかったことは、梅田さんのコメントの通り、種類株で議決権の過半数を持つのと普通株にて過半数持つのとは意味合いが違うということです。 あえて種類株にて議決権を維持しようとしているところに、ガバナンスのゆがみが生じるのではないかと思います。 ・・・ということで、ちょっと図解してみました。 2つの観点 私が、このGoogleのDual Class構造がガバナンスの問題ではないと申し上げるのは、まず一つは「要は気持ちの持ちようじゃないの?」ということです。 「Class BはClass Aの10倍の議決権がある。」(上図で(A)→(B))と見ると、「Class Bのやつだけズリぃぞ!俺たちにももっと議決権をよこしやがれ。」という気持ちにもなりますが、 「Class Bは同じ議決権に対してClass Aの1/10の経済的価値しかありません。」
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