100年の歳月を経て出現した報告書。虐殺の実態や在郷軍人会の動きが記録されていた ※クリックすると拡大します。 ・はじめに 関東大震災にあたり、どのような活動したのかをまとめた陸軍内の報告書1通が防衛省防衛研究所資料室に眠っていました。埼玉県にあった熊谷連隊区司令部がまとめた報告書です。これまでに見つかったことのない種類の資料であり、その内容を紹介します。 1923年9月1日に発生した関東大震災では、横浜や東京の被災地で、1日から3日にかけてを中心に多くの朝鮮人や中国人が虐殺されました。埼玉県は震災による被害はさほど大きくはありませんでしたが、本庄、熊谷、神保原など県北部の旧中仙道沿いの町村を中心に4日夜から虐殺が行われました。東京から避難したり、保護されたりした朝鮮人をまとめて群馬県に移送しようとしたのに対して、その集団に自警団などの民衆が襲いかかったもので、その後の裁判記録などを通して