「部屋に行った方が悪い」「その気があったんだろう」――。性暴力事件で被害者の「落ち度」が批判されるのを目にするたびに、「またか」とため息が出る。小説「彼女は頭が悪いから」でそんな社会の「嫌な感じ」を…

安堂ホセ『ジャクソンひとり』(河出書房新社) 安堂:僕が2年前に初の小説『ジャクソンひとり』を刊行したときに、伊藤さんが写真つきでnoteを書いてくれたんですよね。それで他の記事も読んでみると、こんな面白い日記を書いている人がいるんだと思って。その頃から知ってはいたんですけど、特に連絡はしてなかったですよね。 伊藤:そう、静かに相互フォロー。 安堂:伊藤さんのnote記事「パパと私」がバズる前からね。 伊藤:そうですね。私も安堂さんを芥川賞を取る前から知ってました……みたいな(笑)。私は全然小説を読まないので、いつも最初の情報は(文学好きの)母からくるんですよ。「『ジャクソンひとり』が面白いから読んでみたら」と言われたんです。私は当時、noteは書いていたけど、作家として生きていくとか、本を出すとか、全然決まっていなかった頃でした。 安堂:いつかは本を出したいっていうのはあったんですか?
星新一賞の最終選考に残りました本日、第12回星新一賞の結果発表がありました。受賞された皆様、おめでとうございます。 今回の星新一賞、私も応募しておりまして、最終選考まで残っておりました。受賞はできなかったのですが、応募総数1250作の中から最終選考の10作に残ったということで、倍率でいえば125倍。 最終選考に選ばれただけでも、大変嬉しかったです。 今回応募した作品ですが、私が自分で書いた作品ではありません。 AIに書かせた作品で最終選考まで残ることができました。 AIを使った作品というだけなら、今までも聞いたことがあるかもしれません。 たとえば、芥川賞作家の九段理江さんがAIを使ったことは話題となりました。ほかにも、2022年の星新一賞で葦沢かもめさんが入選した際も、AIを使った作品だと話題になっています。 しかし、いずれのケースもAIの使用は限定的であったそうです。 九段理江先生は登場
SFを読み始めて30年。 既に約4万を超える作品を読んできた。 短編から長編、ハードSFからライトなSFまで。 それだけSFを読んでいると普通のランキングに載るような作品はもちろんのこと、誰も知らないようなマイナーな傑作にも出会う。 今回は、そういった「普通のランキングには出てこないけど、本当に読んでほしい作品」だけを厳選して紹介しようと思う。 1.『冷たい火星の墓標』 グレゴリー・ベンフォード「ハードSF」というジャンルは往々にして物語よりも科学的アイデアが前面に出がちだ。しかし、この作品は違う。 火星探査隊のクルーが、かつて存在した文明の遺跡を発見する。しかしそれはただの遺跡ではなく、何者かによって”隠されていた”痕跡が見つかる。 考古学的な謎解きが進むにつれ、火星の過去と地球の未来が交差する。 ベンフォードの計算されたプロットと、実際の火星探査データを基にしたリアルな描写が実に圧巻。
地図がない――それだけで日高の山は「極夜」を超える「魔境」と化した。 グルメサイトや地図アプリの検索結果をなぞるだけの日常で生は満たされるのか。情報に覆われた現代社会に疑問を抱いた著者は、文明の衣を脱ぎ捨て大地と向き合うために、地図を持たずに日高の山に挑む。だが、百戦錬磨の探検家を待ち受けていたのは、想像を超える恐るべき混沌だった。前代未聞の冒険登山ノンフィクション。 角幡唯介の『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』を読んだ。角幡さんの著作は新刊が出るたびにわりと読んでいる。なかでも好きなのは『極夜行』と『アグルーカの行方』。 最新作である『地図なき山』では、探検と思索を繰り返してきた角幡さんの、探検の目的や考え方とその変遷がよくわかる内容だった。地図やGPSを持っていると、自分と対象物(山や風景)との間に距離ができてしまってナマの手触りを感じられない→「脱システム」(角幡さんの重要キーワー
なんはぎ🐟🐟🐟🐟 @nanynayay 劉慈欣の『三体』好きすぎるんだけど、わたしあれ日本語でしか読んだことがなくて。 中国女子に最近その話をしたら、「あれは中国語の原文では、作者の...というより中国の価値観により無意識な女性差別的な内容や表現がとても多く入っていて、中国国内では特に問題にならなかったけれど、英語や日本語 2025-02-02 16:23:41 なんはぎ🐟🐟🐟🐟 @nanynayay に翻訳する際に翻訳者が『これは西側の価値観で見るとアウト』と判断して大分内容を修正しました。(あと文化大革命についての描写も中国語版と日英版では差異がある)。劉慈欣は、過剰に女性を愚かで感情的なものとして描きすぎていて、それは海外では受け入れられないレベルでしたから」と教えて貰って 2025-02-02 16:27:06 なんはぎ🐟🐟🐟🐟 @nanynayay 三体に
2025年も、たくさんの本に出会いたい! 毎日さまざまな話題のエントリーが生まれるはてなブログの中から「旬な話題」をピックアップする企画「はてなブログで話題」。今回は「2024年ベスト本」をテーマに記事を紹介します。 毎年、年末年始に多く投稿される「今年読んだ本」を紹介するエントリー。私はこれが大好きです! 自分が読んだことのある本について「わかる! そこに感動したよね!」と共感するのも楽しいですし、知らなかった本を手に取るきっかけにもなって面白いんですよね。なにより単純に世の中にはまだまだおもしろい本がたくさんあると思えてワクワクします。 週間ランキングにも頻繁にランクインしているところを見ると、私と同じような考えの方も多いのかもしれません。 ということで今回は「2024年ベスト本」をテーマに、2024年に読んで面白かった本・印象に残った本について書かれたエントリーをまとめて紹介します。
当方、40代男性。キャバクラには行かない。 ずっと何が楽しくて、お金を払って、女性に話を聞いてもらうんだろうと思っていた。 性的なことをしてすっきりしたいという気持ちはわかるので、まだ風俗の方が理解できた 今から20年ほど前、増田が大学に通っていた頃、研究室にある陽キャの助教授(すでに准教授の呼称に変わっていたかも)がいた 学会などの出張のたびに、教授がやめろと言ってるのに学生を連れ回して飲み歩き、 最後には学生をキャバクラに連れて行っていた。自分もそれで一度連れて行ってもらったが、全く楽しみ方がわからず、 椅子に座って岩のようになっていた。 一応、大学の先生の名誉のために行っておくと、当時ですら上記のような先生は少数派であり、 おそらく現在の大学で、学生をキャバクラに連れて歩くような先生は絶滅危惧種だと思う 増田はその後、とあるIT企業でエンジニアとして働いていた。 仕事は楽しかったし、
時事通信映像ニュース @jiji_images 記者会見で撮影に応じる(右から)芥川賞の安堂ホセさんと鈴木結生さん、直木賞の伊与原新さんです。 記事→jiji.com/jc/article?k=2… #芥川賞 #直木賞 pic.x.com/905XXPLk6W 2025-01-15 21:50:16 リンク 時事ドットコム 芥川賞に安堂さんと鈴木さん 直木賞は伊与原さん:時事ドットコム 第172回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は安堂ホセさん(30)の「DTOPIA(デートピア)」と鈴木結生さん(23)の「ゲーテはすべてを言った」に決まった。直木賞は伊与原新さん(52)の「藍を継ぐ海」が選ばれた。贈呈式は2月下旬に都内で行われ、正賞の時計と副賞100万円が贈られる。 1 user 14 産経ニュース @Sankei_news 日本語小説
第172回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日開かれ、芥川賞に安堂ホセさん(30)の「DTOPIA」が決まった。安堂さんは、デビュー作から3作連続で候補入りし、「3度目の正直」で芥川賞を射止めた。 芥川賞に選ばれた安堂ホセさんの「DTOPIA」=15日午後、東京都千代田区(斉藤佳憲撮影)一貫して小説に書いてきたのは、ミックスルーツや性的マイノリティーの当事者たち。「日本語で書かれている小説のほとんどは居心地が悪い」という思いを抱えてきた。自身を作品に重ねて語ることはないが、「創作は自分が好きなものを書くのが一番素直だと思うので、それをやっている感じです」と明かす。 恋愛リアリティーショーを舞台にした受賞作では、「なんか男と女ってめっちゃケンカするよね」といった、異性愛者に対する「雑な偏見」をあえて書きこんだ。 ただ、自身が小説というハイカルチャーによって立つことは常に意識し
安堂ホセさんは東京都出身の30歳。 2022年に『ジャクソンひとり』で文藝賞を受賞して小説家デビュー。今回、3回目の候補で受賞が決まりました。 受賞作の『DTOPIA』は、フランス領ポリネシアのリゾート地で、世界各地から集められた10人の男性がミスユニバースの白人女性を射止めようと競い合う、世界配信の「恋愛リアリティー番組」が舞台です。 物語は、10人の男性のうちの1人、「キース」と呼ばれる日本人の男性を、幼なじみで、自分の性を男女のどちらにも位置づけない「ノンバイナリー」の「モモ」の視点で描いています。 モモは父親が日本人、母親がポリネシア出身というルーツをもっていて、番組で繰り広げられる出来事やキースとの回想シーンを通じて、人種やジェンダー、それに戦争、虐殺といったテーマについて鋭く問う作品となっています。 安堂ホセさんは記者会見で受賞について「うれしいです」と短く述べた上で、「完成度
ある種の作家には歳をとって経験を積み重ねての円熟ということが言いうるのだろうが、少なからぬ作家には未熟だが破天荒な青春期こそが最良の時代であるのではないか、と時々言いたくなる。 SFについていえば結局のところかつてのビッグ3、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラークについてもそれは顕著なのではなかろうか。晩年のアシモフによるロボットものと銀河帝国ものとの統合にしても、やり残した宿題を片付けようというその律義さは立派であり、実際そこから我々は思想的課題を引き継ぐことができるのではあるが、文芸作品としてまたエンターテインメントとしてアシモフの晩年の作品が面白いかどうかはまた別の問題である。 ハインラインにしてもそれは同様で、70年代ともなれば「巨匠」扱いで分厚いハードカバーの大長編をどんどん出すようになるわけだが、正直言って客観性を欠いたおやじの説教が緊張感を欠
笙野 頼子 大半の皆様へ 初めまして、笙野頼子という無名の作家です。一人でものを言いがちな私小説家です。 桐野夏生様、星野智幸様、一部の皆様へ 御無沙汰しております。私のことなどはもうお忘れかと、……。 さて、……。 あなた方はこの署名によって、さらには私からの質問を黙殺する事によって歴史に名を残します。 文学史の片隅に残る私自身が、ささやかな業績をかけて、死んでも残します。 世界勢力と戦う無名の女性たちの大活躍を描くその隣に、当時の「小説家」達が何をしていたかを記録として残します。 と、申し上げた上で、……。 「小説家」を名乗る皆様が準公人であり、発言に責任をお取りになるであろう事を想定してお尋ね致します。 そうです、この「小説家」についたカギカッコは皆様ひとりひとりの自称を表す、というか引用のカギカッコとして付けています。決してアイロニーのカギカッコではありません。念のためですが申し上
笙野頼子 FLJ読者の皆様 明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします 第一回 今回はエッセイの解説です(次回は小説、「質屋七回、ワクチン二回」)。 まず、「女性文学は発禁文学なのか?」と題したこれは? 先日、赤旗寄稿者池田香代子氏のツイッターに、無断転載された「問題作」です。本来は日本文藝家協会ニュース十一月号に発表した、会員限定の読み物だったはず、ところが、……。 ネットを見ていてふと気づいた。大変な騒動になっていました。このエッセイを今、私、著作権者から改めてここに公開いたします。 つまり?現在私はけして池田氏の著作権侵害を追認しておりません。 この拙作について、まだご存じでない方もいらっしゃると思います。まずお読み下さい。たった千文字の短い文ですが、これは、--現行日本国憲法の表現の自由に基づき女性の生存権と日本語の危機について、海外ニュースを主なる情報源として
LGBTQ+差別に反対する小説家の声明 Statement by Authors in Japan Opposing LGBTQ+ Discrimination 私たち小説家にとって、作品が世の中に流通し人々に読まれることは、喜びであると同時に、大きな責任を伴うものでもあります。 近年、LGBTQ+、とりわけトランスジェンダーの人々を標的にした差別言説が氾濫していることに、私たちは深く心を痛め、憂慮しています。読者のみなさまをはじめ、文芸・出版業界にも、LGBTQ+当事者の方がいることは言うまでもなく、我々にとって他人事ではありません。 そこで私たちは、トランスジェンダーを含むLGBTQ+の人々に対する差別に反対し、連帯と支持を表明します。 文学は、ときに差別や抑圧、排除といった人間の暗い一面を描くこともあります。しかし、すでに社会的に弱い立場に立たされている人々に対し、文学がその生の可能
この記事は、本が読めないWEBライターが初めて「羅生門」を読むだけの記事です。 <この記事に出てくる人> 読書が苦手なWEBライター。人の倍以上の時間と体力を使わないと本が読めない。 みくのしんが本を読む手伝いをする。 今回、みくのしんが読むのは芥川龍之介の「羅生門」です。教科書で読んだことがある人も多いかもしれませんね。 事前にみくのしんに聞いてみたところ、「読んだことがない」「マンガの必殺技で見た名前だ」という反応だったので、これを機に初めての「羅生門」に挑戦してもらうことにしました。 余談ですが、2022年度から高校国語のカリキュラムが変わり、「山月記」や「羅生門」などの文学作品を授業で取り扱う機会が減っているそうです。 もしかすると、今後は「学校で羅生門を読んだことがない」という人も増えていくのかもしれませんね。 「羅生門」かぁ〜! いかにも難しそうな話だな〜! 俺一人だったら絶対
時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ 作者:劉 慈欣早川書房Amazonこの『時間移民』は、『円』に続く劉慈欣のSF短篇集だ(早川書房から刊行のものとしては)。収録作は13篇で、90年代に書かれた作品から、2018年発表の現時点では最新作となる短篇まで幅広くおさめられている。劉慈欣の短篇が長篇に負けず劣らずおもしろいのはKADOKAWAの二冊を含む短篇群でよくわかっていたつもりだったが、本作を読んであらためて劉慈欣ってやっぱ短篇もうめえなあと驚くことになった。 ちなみに、KADOKAWAの二冊と合わせて、劉慈欣の全短篇はこれで全部訳されているらしい。四冊読むだけで劉慈欣の全短篇を読んだといえるのだから、比較的追いつきやすい作家といえるだろう。短篇集としては『円』の続きにあたるので、順番を気にするのであれば『円』から読むべきだろうが、別に相互に繋がりのある内容があったりするわけではないので、本作から劉慈
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