<アメリカとの関税戦争で追い込まれた中国から、まず地位とカネを持った者たちが国外に流出する> アメリカが中国を追い込みすぎているようだ。2000年代以来、西側のカネ(貿易黒字と直接投資)と技術で急成長した中国。その双方の栓を閉めようというのだから、習近平(シー・チンピン)政権が感じる危機感は並大抵ではない。昨年、中国への外資の直接投資は前年比9割減の45億ドルに激減している。戦前の日本はアメリカに追い詰められ、「このままではじり貧。やるなら今しかない」と、成算もなしに真珠湾を攻撃。実質的に国を失っている。 中国人は冷静(現金)だから、台湾を攻撃することはするまい。失敗すれば「国を失う」、つまり習政権、もしかすると共産党支配そのものの瓦解につながると知っているからだ。 それでも中国が危機の時、政権の足元の砂は、津波を前にした岸辺のように、どんどん流れ出していく。つまり、まず地位とカネを持った
