越後製菓『ふんわり名人 きなこ餅』を食ってうまさのあまり、このたび舌が溶けてなくなりました。本当にありがとうございました。 まず、はじめに写真を見てもらえばわかるように、ふんわり名人の姿をカメラに収めようとしても決してそれは叶わない。 実際にふんわり名人の姿を見た者ならわかると思うが、それは雲の形を模しているようにも思える。人は雲をその眼に捉えることはできるが、手を伸ばしても決して掴むことはできない。雲とは「有」であり「無」である。雲ゆえの気まぐれ、それがふんわり名人なのだ。 ふんわり名人は口に入れた刹那、一瞬でその姿を消す。まるで初めからそこになにもなかったかのように。綿菓子の砂糖ときなこの甘みだけをその舌に残して。そう、ふんわり名人もまた「有」であり「無」。「有」であり「無」であり、「夢」であり「幻」。 また、ふんわり名人とは、お菓子でありながら人の心を狂わせる『ギアス』でもある。かの