100円玉が欲しかった。どうしてもだ。懐には500円玉とお札しかなかった。 その、100円玉を使うところには両替機がない。なんだよーと思うが、近くにあるのは缶飲料の自動販売機。おあつらえ向きというか、ふつうは120円、130円するような缶コーヒーが100円で売っていたりする。 100円の手数料を取って缶コーヒーと400円分の両替をしてくれるのか。うまい商売考えやがって。 まあでも缶コーヒー単体で考えれば30円ほどお得だ。やむをえん。購入する。 チャリン。 ピッ ガシャッ。 カチャン カチャン カチャン カチャン カチャン カチャン カチャン カチャン ……。 ん? 「カチャン」多くない?僕が期待したカチャン数は4回。でも現実は8。 まさか……。 真っ白い自動販売機のお釣りのところはオレンジ色のプラスチックになっており、プラスチックのカーテンがある。カーテンをおしあけてお釣りの小銭を握りしめ