『相手に「伝わる」話し方』(池上彰著・講談社現代新書)より。 【ニュースにはむずかしい言葉が数多く登場します。テレビを見ている人は、むずかしい言葉、意味のわからない言葉が出てくるたびに、そこから先へは理解が進まなくなります。その言葉がキーワードだったら、視聴者にはニュースに伝わらなくなります。 逆に言えば、キーワードをわかりやすく説明することができれば、見ている人は、「ああ、そういうことなんだ」と腑に落ちることでしょう。 むずかしい言葉の多くは、漢字の熟語です。幸いなことに、私たちが使っている漢字は、ひとつひとつの文字が意味を持っています。その漢字の意味をおさらいするだけで、むずかしい用語の説明ができ、ニュースのポイントも理解できることが多いのです。 たとえば、「亡命」という言葉です。 2002年5月、中国の瀋陽で発生した、北朝鮮からの越境者による「亡命」事件。自分の国にいては生きていけな