東京都の中野区から杉並区にかけての環状7号線の地下40メートルに建設されていた調節池と、その北端に位置する妙正寺川からの取水施設が完成し14日、報道陣に公開された。集中豪雨の際には神田川流域の水を地下にためることで、周辺地域を洪水から守る役割を果たす。都の担当者は「川の護岸工事とあわせて、時間雨量50ミリの豪雨でも洪水を防げるようになる」と話している。 神田川流域はJR中央線沿線で都市化が進み、降雨がすぐ川に流入するようになり、昭和40年代から毎年のように洪水に見舞われるようになったため、63年から地下調節池の建設が進められていた。 調節池といっても、シールド工法で掘られた直径12・5メートル、長さ4・5キロに及ぶトンネルだ。最大貯水量は54万トンに達する。神田川と、その支流の善福寺川、妙正寺川の計3カ所に取水施設があり、洪水のおそれがあるときに一時的に地下に貯水する。総工費は1010億円