新年度が始まって約1か月が経ち、今年の新入社員の様子がだんだんわかってきた。スマートフォンの普及率が約5割になった2012年4月に大学入学し、2016年3月に卒業して新社会人になった彼らは、キーボードとパソコンが苦手で、周囲を驚かせている。 「少し前から、スマホのフリック入力はできてもキーボードを使えない大学生がいるという話がネットでも話題でしたけれど、大げさに言っているだけだろうと思っていました。でも今年、本当にそういう若者がいるんだとわかりました。同じ部署に配属された新人が、びっくりするくらいメールを打つのが遅い。マウスの右クリックがわからないみたいで、パソコンそのものに慣れていません」(30代男性・メーカー勤務) あまりにキーボードを打つ手つきがたどたどしいので、その新入社員は学生にとってもっとも大きな文書作成作業である卒業論文を経験していないのではないかと先輩社員は考えた。ところが