世界がコロナの大禍に見舞われ、人と物の移動や国境が厳しく問い直される今。既存の政治や文化に囚われず大地と人の関係を問う方法はあるのか。空間・風景・場所・自然から地理を捉える文化地理学の歴史を跡付け、その新展開を見通す待望の入門書。 * 地理学の始まりからポスト人間中心主義を経た最新の思想状況まで初学者を導く丁寧なガイド * 旧来の地理学にない移動性・物質性・身体等の最新の概念まで詳説する迫力の12章 まえがき――「文化」の「地理学」 地理学について 文化の地理 第一章 地理のはじまり ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 地理学のはじまり フェルメールの天文学者と地理学者 地図と世界観――状況に置かれた知 中世ヨーロッパの世界観と地図 近代の測量と地図 地図に見る近代性 幾何学の権力 人間と怪物 観察者の系譜 虚構の「近代」 人間主義の時代と地理学 まとめ――状況に