有明海沿岸部の漁場で養殖ノリを食べるカモ(2011年12月、福岡県柳川市沖の有明海で)=福岡県水産海洋技術センター有明海研究所提供 全国有数の養殖ノリの産地・有明海で、養殖中のノリが一晩から数日で消えてしまう原因不明の被害が数十年前から多発し、福岡県が調査した結果、付近の河川から飛来したカモ類の食害であることがわかった。 ノリの種付けを10月中旬に控え、一部の養殖業者は漁場周辺にカモ類の侵入を防ぐ網を張る対策に乗り出し、県も撃退策の検討を始めた。 福岡県水産海洋技術センター有明海研究所などによると、被害は主に同県柳川市から大牟田市に至る約10キロの沿岸部で発生。養殖中のノリが突然消える現象が頻発し、昨年度の被害額は約2450万円に上った。 一部の網のノリが刈り取られたようになるため、養殖業者の間では「バリカン症」と呼ばれてきたが、原因は分かっていなかった。 同研究所は2010年度から調査を