ハンセン病患者、回復者への差別と闘ってきた二人の代表的人物が立て続けに亡くなられた。 一人は、全国ハンセン病療養所協議会会長の神美知宏(こう みちひろ)さん。 もう一人は、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会会長の谺雄二(こだま ゆうじ)さん。 5月10日に神会長の、11日には谺会長の訃報が二日連続で流れ、哀しみと衝撃が胸に走った。そして、この二人の死は何か大きな意味があるように思え、重たい筆を綴っている。 お二人とも、ハンセン病による療養所への強制隔離を経験し、病気が治った後もハンセン病回復者の尊厳回復のために文字通り命懸けで闘ってこられた。医学的に治癒可能となり隔離が必要なくなった後も、実質上の隔離は続き、その根拠となったらい予防法は1996年と最近まで存続した。らい予防法や隔離政策はおかしいと差別の目をおそれずに訴え続けてきたのは、医師でも弁護士でもなく神さんや谺さんといった回復者