未着工となっているリニア中央新幹線の静岡工区をめぐり、7月10日午後、国土交通省の藤田耕三事務次官と静岡県の川勝平太知事が静岡県庁で会談した。 静岡県が着工を認めない根拠の一つである大井川の水資源問題については現在、国の有識者会議が議論中。その後、工事が周辺の生態系に与える影響についても議論される予定だ。JR東海は有識者会議や県の専門部会の結論が出るまではトンネルは掘らないと明言している。 しかし、2027年にリニアを開業させるためには一刻も早く工事に着手する必要がある。そこでJR東海は「トンネルは掘らないので、坑口の整備などトンネル工事の準備作業だけでも先に行いたい」と県に提案した。県は「坑口の整備はトンネル工事と一体」として認めていない。 2週間前の6月26日に同じ場所で行われたJR東海の金子慎社長と川勝知事のトップ会談は曖昧なまま終わり、その後、両者の間で文書による応酬が繰り広げられ