中国湖北省に在留する日本人の帰国に向け、日本政府は民間チャーター機の派遣に踏み切った。新型コロナウイルスによる肺炎で現地は事実上封鎖され、政府支援が不可欠と判断した。感染症による大規模な邦人の国外退避は初めてで、派遣に向けた調整は難航を余儀なくされた。 ほとんど人影のない武漢市中心部(28日正午頃、住民提供) 「外出ができず、これ以上生活できない」 外務省の聞き取りに対し、在留邦人の帰国希望は25日になって急増した。それまでは「まだ大丈夫」などと情勢を見守る声が多かったが、中国政府はこの日、春節休暇の開始を受け、海外への団体旅行を禁止することを表明。武漢市内も移動制限が強まり、緊張感が高まっていた。 日本政府は万が一の場合に備え、24日から成田―武漢間で定期便を運航する全日空とチャーター機に関し、水面下で調整を始めていた。帰国希望の増加の報告を受け、安倍首相は25日夜、「早く対応してほしい
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