様々な経済関係の論文・論説・書籍・公表データから感じたことを気軽にメモ風に纏めるブログ。リンク等は御自由に。 現実経済は貨幣経済であり、我が国の長期停滞を考える場合に貨幣的現象が大きく影響しているのであれば、貨幣経済に正面から取り組んだケインズ自身の著作を再検討することが必要だろう。そして「ケインズの経済学」以後のマクロ経済学の潮流は、一般均衡理論の中における「貨幣」の位置づけを巡って展開しているようにも思われるのである。New KeynesianモデルがRBCモデルに硬直性を付加したものという見方は、まさに以下で見るケインジアンの反革命が繰り返し現れていると見ることもできるのではないだろうか。 以下では、小手調べに花輪俊哉監修『ケインズ経済学の再評価』の中から花輪俊哉氏による簡潔なまとめ(序:ケインズ経済学の再評価をめぐって)の印象に残った部分を纏めてみることにしよう。 1.異端の書『一