2005年12月2日、パシフィコ横浜において開催されました雄松堂フォーラム2005。 第一部は荒俣宏氏によるナポレオン「エジプト誌」を紹介する講演でした。 本記事はその講演録を省略の形で掲載させていただいています。 小学校1年に近所の古本屋で漫画をはじめ、様々な書物の存在を知ってから50年以上、書物への関心をずっと持ち続けているのですが、その中で何回か非常に驚いたことがあります。最も大きな驚きのひとつに洋書の世界を初めて見た時のことが挙げられます。それまで日本の書物には親しんできたのですが、洋書の世界を知ったとき質もランクも全く違うと思いました。そこに投入された人々のエネルギーや、情熱といったものが、世界レベルになると桁が違うとつくづく感じたのです。 そういった書物のうちの一冊が今回ご紹介するナポレオンの「エジプト誌」です。この本を初めて見たのは、私が大学生だった頃、慶應大学日吉校舎の