南米ペルーの南海岸にある世界遺産「ナスカの地上絵」は、「世界8番目の不思議」といわれる。荒涼とした石と砂の台地に刻まれた無数の直線、幾何学文様、動植物の絵。誰が、何のために、どのようにして描いたのか。この謎の解明に挑んでいる坂井正人・山形大教授(文化人類学・アンデス考古学)は最近、現代のナスカでも地上絵が描かれていることを知った。 ナスカ台地は東西約20キロ、南北約15キロに広がる。1920年代から考古学調査が行われ、当初は直線や三角形、渦巻きなどの幾何学文様、その後、ハチドリ、オウム、コンドル、トンボ、サル、クモ、クジラ、花、樹木、海藻などの野生動植物の絵が次々と確認された。総数は1000点以上。 坂井さんは94年からナスカ地上絵を研究してきた。分布に何か規則性がないかと、2004年からは山形大の研究チームで人工衛星写真を精査して、全長65メートルの生物らしい図像を含め、100点以上の地
◇五百旗頭(いおきべ)真・評 (中公選書・1470円) ◇美化された「後藤復興」の実像を洗い出す 関東大震災に際して山本権兵衛内閣の内相となった後藤新平は、遷都を否定し、東京を立派な帝都とすべく大胆な復興計画を提起し、そのための立案機関・復興院を設立した。しかし都市計画によって私権を制限されることへの反発は強く、とりわけ地主層を背景とする政友会は、政治的画策をめぐらし、三カ月後の倒閣によって後藤を失脚させた。帝都復興の予算は、一気に後藤案の8分の1に縮小され、復興院も廃された。にもかかわらず、昭和通りをはじめ、後藤の提唱した帝都建設計画はある程度まで実施され、東京は首都らしいかたちを持つことができた。のみならず、全国の主要都市が近代的都市に生まれ変わるうえでのモデルとなったのであり、後藤の「大風呂敷」と呼ばれた帝都復興構想の意義は小さくない。 以上が一般的な理解ではないだろうか。それに対し
子供のころ仲間を殺されたダニは、成長すると攻撃した種のダニの子供を集中的に食べて「敵討ち」することを、長(ちょう)泰行・千葉大助教(行動生態学)らのチームが突き止めた。害虫防除に活用できる可能性があるという。 チームは、植物に生息するデジェネランスカブリダニと、ククメリスカブリダニとを一緒に育てた。その結果、デジェネランスカブリダニは、卵から成虫になる過程で20匹のうち9匹が殺された。生き残った成虫は、ククメリスカブリダニのいない環境で育てられた成虫に比べ、1.5倍の速さでククメリスカブリダニの幼虫を食べた。 デジェネランスカブリダニは別の種類のダニにはあまり関心を示さなかった。成長期に脅威をもたらした相手を体の表面にある物質で覚えていて、成虫になってから攻撃したとみられる。 長助教は「発育段階の経験が、成長後の振る舞いを決定づけていた。人間の『仕返し』が他の生物にも見られるのは興味深い」
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