「これ以上ずさんな管理体制が続けば、いずれ大事故につながるのではないかと危惧しています。会社には、より安全意識を高め、設備と人に投資をしてほしい。意を決して、内部の状態をお伝えしようと思います」 こう話すのは、「つくばエクスプレス」に勤務するAさんだ。 秋葉原駅と茨城県のつくば駅の間を最速45分で結ぶ、つくばエクスプレス。年間輸送人員は約1億3000万人、開業から12年が経った今、首都圏交通網のかなめの一つを担う、重要な路線だ。 「安全と高速」を売りにしているこの路線だが、内部からは「経営の健全化はもちろん大切だが、その一方で安全が軽視されているのではないか」という懸念の声が聞こえてくるのだ。いったいなにが起こっているのか。 まず、Aさんが指摘するのは、ここ最近の事故の増加についてだ。 「2016年以降、車両のドアに乗客の手や物が挟まれたまま列車が出発するといった、危険なトラブルが増えてい