ブックマーク / vergil.hateblo.jp (10)

  • 加害者意識がまったくない陸軍二等兵漫画 - 読む・考える・書く

    『爆笑 陸軍二等兵物語』という、戦争体験者自身が描いた漫画がある。 作者の塚原平二郎氏は1920年生まれなので敗戦時点で25歳、陸軍に徴兵されて中国各地やベトナムを転戦している。漫画自体は創作だが、塚原氏自身の体験や兵隊仲間からの見聞をもとに描かれたリアルな内容だ。[1] この漫画を見ると、作者自身の上官である「中助」(ろくでもない中隊長のことを兵隊たちはこう呼んでいた)をはじめ、素質不良な軍人たちが中国各地の街や村でやりたい放題の悪事を働いている。 ひどい話ばかりだが、少なくとも作者はこうした事件を批判的観点から描いているので、こうした残虐行為を仲間内の場で自慢話のように語っていた元軍人たちよりははるかにマシと言えるだろう。 女囚さそり 第41雑居房、大陸(中国)行軍中に現地の女性を強姦したことをおもしろおかしく得意気に話すおっさんとそれ聞いて喜び羨ましがる若者達。 当時はよくある光景だ

    加害者意識がまったくない陸軍二等兵漫画 - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2022/06/19
    太平洋戦争とは違って日中戦争は「忘れられた戦争」になってしまっているのも大きい。日中戦争の開戦経緯やその後の敗戦までの経緯、兵士たちの体験談なども、太平洋戦争のそれに比べて、圧倒的に知られていない。
  • 中国で「海外旅行みたいな」楽しい戦争をしてきたという兵たちの実態 - 読む・考える・書く

    小林よしのりは『戦争論』の中で1回だけ、自分で戦争体験者の親戚から聞き取ったという話を書いている。 この親戚氏は、戦争はまるで海外旅行のようだったと言い、多少の戦闘は経験したものの、あとは中国で美味いものばかりっていたと、楽しげに語っている。[1] 「終戦前は 朝はブタ汁 晩はブタの煮付け 野菜の煮付けとか べとった」 「糧は豊富にあった」 「さとうきび畑に入って ナマのさとうきびべたらうまかった」 「ほし柿も よくべとった」 …とい物の話ばっかりする (略) 「米をたくさん炊きすぎて 余ったのをおにぎりにして中国人にやると かわりにマントウをくれる」 「なしを5~6個くれることもある」 (略) 終戦後7カ月過ぎて 4月1日に長崎に着き 家に帰って来た時… 背中に上等の毛布をいっぱいしょって なんと丸々太って帰ってきたので 奥さんがびっくりしたらしい まるで中国の人々となごやか

    中国で「海外旅行みたいな」楽しい戦争をしてきたという兵たちの実態 - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2022/02/13
    宮崎の特攻ボート部隊に配属されていた元社会民主連合代表の田英夫さんは、現地住民からの差し入れで毎日のようにうまいもんが食えたとインタビューで答えていました
  • 朝ドラ『エール』の古関裕而もまた一人の鮫島伝次郎だった件 - 読む・考える・書く

    NHKの朝ドラ『エール』の主人公「古山裕一」は実在の作曲家古関裕而をモデルとしているが、現実の古関裕而の人物像は『エール』で描かれたものとはだいぶ違っていたようだ。 『エール』の古山裕一は慰問に訪れたビルマで悲惨なインパール作戦の現場を目撃し、敗戦後は虚脱状態となって長い間曲も書けなくなっていたのだが、実際には戦争に協力したことへの深刻な反省などなかったという。『文化復興1945年――娯楽から始まる戦後史』(朝日新書)を書いた中川右介氏が次のように指摘している。 gendai.ismedia.jp 戦後の文化再興の群像劇の登場人物のひとりが古関裕而なので、この作曲家についても調べたので、少しは知っている。だから、『エール』を見ると、現実の「古関裕而」とドラマの「古山裕一」との相違点が気になって仕方がない。 それをひとつひとつあげていくときりがないので、結論から言えば、話題になった「戦争を真

    朝ドラ『エール』の古関裕而もまた一人の鮫島伝次郎だった件 - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2020/11/10
    フランスのクローデルやモーリアックも、ヴィシー政権下ではペタン首相やナチス協力政府を褒め称えるような作品を作ったが、フランスが解放されたとたんにド・ゴールに讃歌や賛辞を送っている。そんなもん。
  • 憲兵までゆるふわ化してしまった『この世界の片隅に』 - 読む・考える・書く

    『この世界の片隅に』で太極旗シーン以上に問題なのが、憲兵が出てくるエピソードだ。この話は以前にも一度取り上げているので内容が一部重複するが、改めて問題点を整理してみることにする。なお、このエピソードに関しては原作マンガとアニメ版に大きな違いはない。 『この世界の片隅に』で「憲兵」はどのように描かれたか このエピソードでは、呉の軍港に浮かぶ軍艦をスケッチしていたすずを間諜(スパイ)容疑者として捕まえた憲兵が、すずを連れて北條家に怒鳴り込んでくる。[1] 家族たちは玄関先で怒鳴り散らす憲兵の説教を神妙に聞いていたのだが、憲兵がいなくなると、次のシーンでは、よりによってすずなどをスパイ扱いした憲兵をバカにして爆笑する。[2] 現実にはあり得ない憲兵描写 しかし、こんなことは当時の現実としてはあり得ない。 まず、憲兵がスパイ容疑者を捕まえたら憲兵隊詰め所に連行して尋問するはずで、容疑者の自宅に引っ

    憲兵までゆるふわ化してしまった『この世界の片隅に』 - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2020/08/22
    これはこれで極端。野坂昭如さんも「憲兵には何度か助けられので悪い印象はない」と書いている。「そういう憲兵も少数かもしれないが存在した」ということは、否定すべきではないでしょう。
  • 「普通の日本人」はとにかく正義が嫌いらしい - 読む・考える・書く

    痴漢容疑者を取り押さえようとして重傷を負わされた被害者を嘲笑する人々 危険を省みず容疑者に立ち向かった男性が「正義マン」? 「普通の日人」は正義が嫌いになるよう教育されている 痴漢容疑者を取り押さえようとして重傷を負わされた被害者を嘲笑する人々 2月17日、都営地下鉄駅で、痴漢容疑者を取り押さえようとした男性が階段下に転落させられ、一時意識不明の重体になるという事件が起こった。 www.sankei.com 駅構内の階段で男性を転落させ、意識不明の重体にしたとして、警視庁神田署は17日、傷害容疑で、元警視庁警護課SP(セキュリティーポリス)の会社員、品田真男容疑者(52)=千葉市若葉区原町=を現行犯逮捕した。品田容疑者は当時、電車内で10代少女への痴漢行為を疑われ駅構内を逃走していたという。(略) 逮捕容疑は17日午前7時ごろ、東京都千代田区神田神保町の都営新宿線神保町駅構内の階段で、自

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    kurokawada 2020/03/02
    推測や予断部分が多い記事。
  • 悪口とヘイト・スピーチの区別がつかない人たち - 読む・考える・書く

    ネトウヨ一般に共通する特性として、 勉強しない 何度誤りを指摘されても頑として認めない とっくに否定された妄説を何度でも持ち出してくる 議論の前提となる概念に「オレ様定義」を振り回すため会話が成り立たない 無知なのにいつも上から目線 中身が何であれ最後に言い返した方が勝ちだと思っている(いわゆる「論破」w) やっぱり勉強しない といったものがあるわけだが、こちらの記事に、その典型とも言うべきコメントがついた。 朝鮮人へのヘイトが規制の対象で日人や日国の象徴に対するヘイトが「表現の自由」という論拠を教えてください。 常識的に考えれば両方規制の対象のはずですが? あなたが別のところで宣ってる「日の丸も旭日旗も糞」なんて言葉はヘイトそのものですよね。 あなたが大好きな中国で国旗は糞なんて言ったら刑法犯になりますが? あなたの所属するセクトの常識を世間のまともな人に押し付けないでください。はっ

    悪口とヘイト・スピーチの区別がつかない人たち - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2019/09/20
    それだと現在日本より遥かに強大になった中国に対して「チャンコロ」とか「チンク」と言ってもヘイトスピーチにはならないということになる。それはおかしい。
  • 内田樹氏が「天皇主義者」となった理由を聞いて、天皇制を許してはならないという確信がさらに強くなった。 - 読む・考える・書く

    自ら「天皇主義者」であると宣言した思想家・内田樹氏が、キリスト教系の月刊誌『福音と世界』で、そのように宣言した意図についてインタビューを受けている。(以下、内田氏のブログに転載されたもの[1]から引用する。) 「天皇主義者」と自称してはいても、氏はもちろん戦前のような天皇絶対の国家体制を支持しているわけではない。そうではなくて、氏は、所詮天皇制は政治的フィクションであることを認めた上で、戦後日の象徴天皇制は「統治システム」として非常によく機能しており、これを現代日社会を「より暮らしやすいものにしていく」ためのリソースとして活用していくべきだと提言しているのだ。 「焦点が二つある」統治システムが「土建国家」ニッポンを作った 天皇による「鎮魂」と「慰藉」は政治責任逃れのトリック 天皇は徹底的に「記号化」されるべき 逆立ちした議論になるのは統治者目線に立っているから 「焦点が二つある」統治シ

    内田樹氏が「天皇主義者」となった理由を聞いて、天皇制を許してはならないという確信がさらに強くなった。 - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2018/08/17
    つまり憲法は改正されねばならないと
  • 「旧軍は体罰を禁止しようとしていたから悪くない」説は成り立たない - 読む・考える・書く

    前回記事に対して、ブコメでこのように指摘している方がいました。 そこで、他にどんなことが書かれているのか見てみようとしたところ・・・ あれ? ブロックされているではないですか。 (記憶にはないが)こちらからブロックしてしまったのかとも思いましたが、「ブロックする」メニューが出るので違いますね。 どうやら、私には自分のツイートを読んでほしくないようです。 ブロックされていてもツイートを読みにいく手段はありますが、読むなと言っているものを無理やり読んで論評するのも大人げないので、やめておきます。 で、上のブコメの論旨について言うと、「当初は禁止されていたが、人手不足が深刻になって…」という説は成り立ちません。 前回記事で引用した部分にも書いてあるとおり、軍隊内で横行する新兵いじめの手口を解説した『模範的内務教育ノ参考』の出版は1939年、アジア太平洋戦争開戦前の話です。敗色濃厚となって軍組織が

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    kurokawada
    kurokawada 2018/06/04
    軍隊というものは必然的にいじめを発生させる仕組みを備えてしまっていると言った方が適切かと。第二次大戦時のアメリカ陸軍でもいじめは「チキンシット」と呼ばれて蔓延していた。
  • 独裁を完成させたら終わりだということを理解しない人たち - 読む・考える・書く

    憲法違反の秘密保護法、戦争法、共謀罪法をすべて強行採決で押し通し、さらに憲法改悪・緊急事態条項による独裁の完成へと暴走する極右安倍自民党政権。まさにこの国の未来を破滅へと導く国家的危機と言うべきなのだが、この事態に警鐘を鳴らす人々を訳知り顔で嘲笑する者たちがいる。 下のツイートなど、その典型だろう。 仕事でホテル暮らしが続いているのだが、昨日、ロビーで「安倍は独裁者」と騒いでいるおばちゃんたちがいた。サダム・フセイン時代のイラクを訪れたことがある私としては『当の独裁国ではそんなこと言えませんよ』と思う。安倍政権に自由を担保されている人たちが、安倍政権を独裁呼ばわりする喜劇。 — 早坂隆 (@dig_nonfiction) 2017年6月27日 「安倍政権に自由を担保されている」? この人にとって、自由とは権力者から恩恵として与えてもらうものなのか? 自由権は基的人権を支える要となる権利

    独裁を完成させたら終わりだということを理解しない人たち - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2017/07/03
    東條英機は首相になった際、陸相、外相、商工相、軍需相、参謀総長まで兼ねたが、陸海軍と政府部内から強烈に突き上げられ、海軍には指図できず、戦況が悪化するとあっという間に追い落とされた。日本の独裁者は脆弱
  • 日本軍は協力者をも簡単に殺した - 読む・考える・書く

    2015年8月13日に放送された、NHKスペシャル『女たちの太平洋戦争 ~従軍看護婦 激戦地の記録~』。戦時中、ビルマとフィリピンの戦場に派遣された従軍看護婦たちの過酷な体験を、日赤社に残されていた大量の記録文書と、元従軍看護婦たちの証言を通してたどった番組だ。 終戦までに召集された看護婦はおよそ3万人。その多くが国のためになりたいと自ら望んで従軍看護婦となった。幼い子どもを残して戦地に向かった女性も少なくない。しかし派遣先では、急速に悪化する戦況の中、傷病兵に十分な治療をすることは困難だった。もともと日軍の補給体制に不備があった上に輸送路を遮断され、医薬品が欠乏。伝染病患者も負傷者も、ただ励まし見守ることしか出来ない日々が続いた。日軍の劣勢がさらに深刻になると、完治していない者まで前線に戻され、動けない患者は置き去りにすることが命じられるようになる。そして終戦間際、連合軍に追いつめ

    日本軍は協力者をも簡単に殺した - 読む・考える・書く
    kurokawada
    kurokawada 2016/11/13
    日本軍はフィリピンでも現地協力者を脅したり殺害したりしていた。一方フィリピンに再上陸したアメリカ軍は物資輸送などを少しでも手伝えばサンキューの言葉とともに缶詰を手渡した。
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