自民党が大敗して政権を失った2009年夏の総選挙。その直後から2013年夏の参議院選挙で政権を完全に奪還するまで、自民党の情報戦略の「参謀役」を務めた人物が1461日間にわたる活動を振り返った1冊である。 本書に書かれている野党時代の自民党の情報分析活動の内実は「一度として明らかになったことはない」という。「カネ」や「情実」といったイメージがつきまとう政治の世界にも、年々進歩するデータ分析の波は押し寄せている。 大量のデータを分析することによって、世の中に何となく漂っているムードのようなものが可視化される。報道の中で政治はどれほど扱われているのか、その中での自民党の露出度はどれほどのものか、今一番露出度の高い政治トピックは何なのか。分析結果は、争点化させる話題の選択から、政党CMの内容、選挙での戦い方に至るまで様々な事柄に影響を及ぼす。 著者らは情報を「一発屋」タイプと「ロングヒット」タイ