盛田昭夫氏は、終戦直後の1946年に井深大氏とともに東京通信工業株式会社(後のソニー)を設立した。ソニー副社長だった盛田氏は、1960年、米国にソニーの現地法人が設立されると同社の社長に就任。アメリカのビジネス界から強い刺激を受けたようだ。 その盛田氏が、東京五輪が行われた1964年に先進的なコーポレートマネジメント論を発表していた。 ジャーナリスト・大西康之氏の解説付き。 出典:「文藝春秋」1964年7月号 いま日本では、自由化対策とか開放経済にどう対処するのかということが、焦眉の急となっている。温室育ちの促成栽培も一応軌道にのって、世界の耳目を驚かすほどの経済成長を示しはじめたので、もはや一人前と認められて、弱肉強食の自由競争の世界にひきずりこまれ、いやが応でもそこで生きていかねばならなくなったのである。 日本の企業に真の国際競争力があるか、厳しい世界の自由経済の中で生きぬくだけの実力
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